メガデデンネはマイナー

SS板Produceで完結したSSなどをまとめていきます。プロデューサー支援用ブログ

フライゴン「非600属ドラゴン軍を作るふりゃ」

 このSSは「安価先が短編を書いてみんなで評価するスレ」にて書かれたものです
75 名無しのデデンネ 2014/09/20(土) 13:40:38 id:jKxOIAQE0
よっしゃ任せとけ!
フライゴン「非600属ドラゴン軍を作るふりゃ」でいきます
76 名無しのデデンネ[>>75] 2014/09/20(土) 14:28:48 id:jKxOIAQE0
ガブリアス「ドラゴンクロー」


鋭く強大な爪が俺の体を斬り裂く

フライゴン「ぬおォ!」

ドサッ……


ガブリアス「何だ? もう終わりか?」

フライゴン「う……うぅ…」


サザンドラ「おい早く行こうぜガブ!!」
カイリュー「〝皆既日食〟まで時間はないぞ」

ガブリアス「ちょっと待ちやがれ!! 俺は今日こそコイツを殺ってやる…」

フライゴン「ガブ……リアス………なぜお前は…」


ボーマンダ「そんな奴放っておけ。我々の計画は〝速さ〟こそが鍵」
ヌメルゴンポケモンを殺すのは良くないよぉ……」


ガブリアス「……ハン、いいか覚えておけフライゴミ。俺の『龍の国』が完成すればお前らは生き残れねェ」

ガブリアス「弱者は死に、真の強者〝龍王〟だけが生き残る世界。やがて来る大きなうねりの前に……誰も抗えん」

フライゴン「そんな……そんな世界なら…」
ガブリアス「精々、弱者同士で力を合わせて頑張るんだな! ガッハハハハハハハハ!! ハッハッハッハッハ!!!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

77 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/20(土) 14:33:39 id:jKxOIAQE0
フライゴン「ハッ!!」

漠然とする意識の中に、水平線の向こうに輝く朝日が見える

フライゴン「夜明け……か。またあの夢を…!!」


何が弱者………何が強者……。そんな世界なら…俺は……


フライゴン「そうだ……この世に不可能なんてない! ならば奴の言う弱者達で……あいつら600属をブチのめすふりゃ! それが最大の下剋上であり、復讐であり、反逆であり……」


うん。何を言ってるか分からないけど、とにかく……





フライゴン「非600族ドラゴン軍を作るふりゃ」
78 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/20(土) 15:02:23 id:jKxOIAQE0
******************************************************************


フライゴン「……という事ふりゃ。よろしく!」

チルタリス「よ、よろしくって…本気で言ってるの?」

フライゴン「当たり前だ。『龍の国』なんてあってはならない。俺一匹じゃ無理でもみんなで力を合わせれば…」
チルタリス「無理よ」

フライゴン「……え?」

チルタリス「無理なものは無理と言わせて貰うわ。話の筋が通ってない。そもそも貴方の無謀な企みに味方する仲間なんてどうやって集めるの?」



チルタリス「――それに…奴らの強さは貴方も身をもって知ってる筈よ」

フライゴン「うっ……」


思い出す……、ガブリアスに敗けた幾多の戦いを…………
79 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/20(土) 15:16:40 id:jKxOIAQE0
ガブリアス「精々、弱者同士で力を合わせて頑張るんだな!」)


フライゴン(俺たちが力を合わせても所詮……奴らにとっては…)



キングドラ「おい」ザブゥン

フライゴン「!!!」ビクゥッ!!


キングドラ「何をビビってやがる?」

フライゴン「いや…ちょっと驚いただけふりゃ(キングドラ? ここは114番道路だぞ。なぜこんな所に…)」
80 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/20(土) 15:26:38 id:jKxOIAQE0
フライゴン「…で、何の用だ?」

キングドラ「消えろ」
フライゴン「は?」

キングドラ「ここは俺の領域だから失せろと言ってんだよ馬鹿」

フライゴン「ちょ、ちょっと待つふりゃ! ここがお前の領域って……そもそもお前の棲み処は南の海の筈じゃ…」

キングドラ「消・え・ろっつってんだよ! そこをどかねェなら力尽くで消す」


フライゴン「力尽く…か。」

キングドラ「なんだ?」

フライゴン「お前……力があり余ってるなら俺に力を貸すふりゃ」



キングドラ「………………あ?」
81 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/20(土) 15:34:00 id:jKxOIAQE0
キングドラ「はァァァァァァァ!!? お前イカレてんじゃねェのか!?」

フライゴン「なっ…」

キングドラ「なんの由縁があっててめェに協力しなきゃならねェ? 俺は誰の下にも就かねェんだ。消えろ!!」


フライゴン「ま、待て! 話を…」
キングドラ「流星群!!!」


ヒューーードドドドドッ!!!
82 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/20(土) 15:42:11 id:jKxOIAQE0
キングドラ「…………チッ、外したか」

フライゴン「…………………………」


シードラ「兄貴ィ!! 何の騒ぎだ!?」ドバッ!
タッツー「兄ちゃん! あいつは誰?」ザパァン!

キングドラ「お前たち…潜ってろと言っただろ」


フライゴン「……弟がいたのか」

キングドラ「あァ……義理の…だがな」

フライゴン「成程……お前にも複雑な事情があるんだな。それはそうと、お前最初からアレを当てる気なんて…」
キングドラ「お前の目的は分かっている」

フライゴン「え?」

キングドラ「俺を仲間に入れて最近暴れている600族という奴らを潰そうと言うんだろ?」

フライゴン「あ、あァ……その通りだが…」


キングドラ「……くだらん。見ての通り俺にも守るべき者があるんだ」

シードラ「………」
タッツー「兄ちゃん…」


キングドラ「お前の大事なポケモンは……大丈夫なのか?」

フライゴン「!!! チルタリス!? おいどういう事ふりゃ!!?」

キングドラ「さァ………自分の眼で見て来るんだな」
83 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/20(土) 15:52:53 id:jKxOIAQE0
フライゴンチルタリスー! おーーいチルタリス!! どこふりゃー!?」


フライゴン「おかしい……これだけ探してもいないなんて………普段この場所から離れないって言ってたのに…」

フライゴン「――まさか本当に…!!」


【た………け…て…】

フライゴン「……!?」


【たす……け……て……】


フライゴン(なん……だ、今の……)

声が聞こえた様な気がする。理解はできなかったが、俺の直感がこう言った


フライゴン「流星の滝……チルタリスはそこに居る!!」
84 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/20(土) 16:02:39 id:jKxOIAQE0
――流星の滝


フライゴンチルタリス!!!」


ザングース「……あ? 何だお前は」

チルタリス「む……むぐぅ…」

フライゴン「……!! お前らチルタリスに何を…!!!」


ハブネーク「どうする? 殺っちまうか?」
ザングース「フン……俺だけで充分だ。お前はこの女見張っとけ」
ハブネーク「おう、任せろ」

フライゴン「お前ら何をボソボソと……チルタリスを放せ!!」

ザングース「あァいいぜ……俺を倒せたら…な」ザッザッ


フライゴン「――………良かろう」
85 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/20(土) 16:11:31 id:jKxOIAQE0
フライゴン「ドラゴンクロー!!!」
ザングース「守る」

キィィィン!!!


ハブネーク「ヘッヘッヘ……とんだ誘拐の邪魔が入ったが………?暴走?したザングースは誰にも止められん」

チルタリス「……………!!?」


ザングース「ウオオオオォッ!!」

フライゴン「なんだ!?」

ザングース「うぅ……効くぜ…さァ勝負はここからだ」
86 名無しのデデンネ[ >>75 ] 2014/09/20(土) 16:20:17 id:jKxOIAQE0
>>85
訂正:?暴走?じゃなくて〝暴走〟
なぜか同じ文字なのに文字化けする
87  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/20(土) 16:23:14 id:jKxOIAQE0
フライゴン「ドラゴンクロー!!!」

ザングース「ぬぅ……!! 切り裂く!!!」

ザクッ……


チルタリス「!!!」

ハブネーク「勝負がついたようだな…」



ザングースクリティカルヒット……」

ザングース「運が悪かったなァ………〝毒暴走〟した俺の攻撃が急所に当たるなんてよ。わかったか? 俺たちに刃向うとどうなるか」





フライゴン「さぁ……わからないね」

ザングース「……!!!」


ハブネーク「な、何ィ!?」



ザングース「てめェ……なぜ立ち上がる!!」

フライゴン「単純にお前の攻撃が弱いから」

ザングース「……!!」ブチ

フライゴン「それに…こっちは大切な仲間が賭かってるんだ。敗ける訳にはいかんふりゃ!!」
88  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/20(土) 16:32:06 id:jKxOIAQE0
ザングース「……それはこっちかて同じ事だ」

フライゴン「ん?」

ザングース「ドラゴンの娘は高く売れる!! この世は〝金〟だ!!! それさえあればなんでもできる!!!」


フライゴン「……お前…本物のクズだな」

ザングース「何とでも言え!! 俺にとってはそれが正義だ!!」

フライゴン「あいつならこう言っただろう……『この世は〝力〟だ!!!』……と。――お前はもう、詰んでいる」

ザングース「ま、待て! 話せばわかる!! 待ってくれ……まだ俺は…!!」
フライゴン「せめて苦しまないように殺してやろう……ドラゴンクロー!!!」





ハブネーク「ポイズンテール」

パシィン………


フライゴン「うおっ!?」ドサッ!


チルタリス「!!」


ハブネーク「俺が加勢しないとは……言った覚えがないぞ」

フライゴン「くっ……卑怯者が…」
89  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/20(土) 16:39:21 id:jKxOIAQE0
ザングース「悪ィな、助かったぜ相棒……」

ハブネーク「気を抜くな。あいつはそこらの雑魚とは違う」


フライゴン「ぐっ……」

ハブネーク「お前もつくづく運が悪い。俺の攻撃も急所に当たったか……だが、効いちゃいないか」

フライゴン「当然だ! こんな所で敗けるようじゃ奴は倒せんふりゃ!!」


チルタリス「……!!(フライゴンくん……やっぱり本気なんだ!)」



フライゴン「お前らまとめてブチのめす! 地し…」
ガシッ!!

フライゴン「何!? 離れろ!!」
ハブネーク「ハァ……離さんぞ! 今だ、やれザングース!!」ギュゥゥゥ!
フライゴン「ウゥ……畜生…!!」

ザングース「今度こそ終わりだ……」ギラッ!
90  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/20(土) 16:50:51 id:jKxOIAQE0
フライゴン「うおおおおおっ!!!」
ハブネーク「ぐぐ!!(こいつ……なんちゅう力だ! 早くしろザングース!)」


ザングース(マズイな……ハブネークも長くは持たねェ。奴までの距離は数十メートル、それでも走って切り裂きに行っては間に合わん)

ザングース(俺にも毒が回ってる。それなら……これでどうだ)


ザングース「投げつける!!!」

フライゴン「なんだ!?」

ヒュー……ゴン!
フライゴン「う……おぉ…」
ハブネーク「ハァ……ハァ……流石の肩だ」シュルルル…


チルタリス「ん……!! ぅ……!!!」


フライゴン「あぁ……」ドサッ

ザングース「ハァ……どうだ、苦しいだろう? 貴様も俺と同じ様に毒が回り始めた」

ハブネーク「放っておいても死ぬだろう。ザングース、お前を回復させたらこの場所を出るぞ」


チルタリス「………………」

フライゴン(チル…タリス……こんな所で…!!)
91  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/20(土) 17:10:34 id:jKxOIAQE0


「…………りしろ!! しっかりしろ!!」

フライゴン「!!!」


どれくらい眠っていたかわからない。ただ、目の前に居たのはキングドラだった

キングドラ「やっと起きたか……」

フライゴンキングドラ……どうしてここに…!! チルタリスが……いや待てよ、全部夢だったのかふりゃ?」
キングドラ「そんな訳ねェだろ!! いいか……お前はここで賊に敗れ、そのチルタリスとかいうポケモンを連れてかれたんだよ!!」


フライゴン「そう…か。やはり、現実…」

キングドラ「どうした? 奴らはまだこの洞窟の中に居る。なぜ行かん?」

フライゴン「……お前が助けてくれたんだよな?」

キングドラ「そうだが?」


フライゴン「――結局、俺だけじゃ何もできなかった……!!」

キングドラ「まさか……怯えているのか?」



キングドラ「――――甘ったれるな!!!!」

フライゴン「!!!」

キングドラ「お前はなぜ戦っている? なぜ600族を潰したい? ――……守るべき者の為だろうが!」

フライゴン「俺の……守るべき…者…」


考えた事もなかった。俺がなぜ戦うのか。なぜガブリアスを倒したいのか。――俺の為、世のポケモンの為、……チルタリスの為!!


キングドラ「敗北は己を強くする。負から何を学ぶか……それが強さだ」

フライゴンキングドラ……俺…」
キングドラ「何も言うな……お前はお前の信念に従って進め、戦え!!」

フライゴン「………」コクリ

待ってろチルタリス……今、助ける!!
92  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/20(土) 17:21:00 id:jKxOIAQE0
******************************************************************


ザングース「もうすぐ出口だな……抵抗するな!! 大人しくついて来い!!」
チルタリス「………………!!」

ハブネーク「……わかってるなザングース。お前の毒々玉に頼った戦法は代償が大きい。後が大変なんだ。」

ザングース「あーあーわかってるって!」

ハブネーク「お前の治療をしてなければ今頃はとっくに出られてたんだぞ!」

ザングース「あーはいはい」



フライゴン「お蔭で俺は、チルタリスを救える」

ザングース「あァ!?」
ハブネーク「まさか……生きていたのか!!」

チルタリス「………!!」


フライゴン「もうお前らには敗けん!!」

ザングース「何度来ようが同じ事だ。今度は始めから二匹でかかろう!!」
93  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/20(土) 17:31:43 id:jKxOIAQE0
フライゴン「ドラゴンクロー!!!」
ザングース「守る」

キィィィン……

フライゴン「またアレか?」
ザングース「いや、もう毒々玉はねェ……だが」

ハブネーク「辻斬り!」

ドシュッ!

フライゴン「ぐっ!」

ハブネーク「なんと不運……またしても急所」

フライゴン「がはっ……!!」


フライゴン「関係ない……己を信じて戦えば、必ず運はこちらに向く!! ドラゴンクロー!!!」

ザングース「ぬぅ……切り裂く!!」
ハブネーク「辻斬り!」

ズバァン!!


フライゴン「ほら見ろ……二発とも急所には当たらなかった…」

ハブネーク「だが、それでも浮いてるのがやっとの筈だぞ。俺ら二匹をどうやって…」
フライゴン「終わりだ!! 地震!!!」

ドォォォォォン!!!!


攻撃は二匹の急所に当たった。ザングースは持ち物なし、ハブネークはピントレンズ。……即ち、俺の勝ちが確定したのだ
94  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/20(土) 17:47:39 id:jKxOIAQE0
ザングース「お……ぉ…」ドサッ
ハブネーク「バカ……な…」バタッ


フライゴンチルタリス!! 大丈夫か? 今縄を解くふりゃ」

シュルルッ…

チルタリス「あり…がとう……フライゴンくん。………う…うわぁぁぁん恐がったよ゛~~~!!!」ガシッ!
フライゴン「う…うわぁ!! チ……チルタリス…当然の事だろ? ちょ、離れるふりゃ……///」

チルタリス「ハッ! う、うん……ごめんね///」



フライゴン「…最後にお前らに聞きたい事がある。元々、ザングースハブネークは犬猿の仲だろう? なぜ、お前らは仲がいいんだ?」

ザングース「そ、そんな事……関係ねェ…だろ」
ハブネーク「そう……だ…俺たちには種族を超えた……〝絆〟がある……!! 元は仲が悪かった……だが、…」

ザングース「喧嘩する程仲がいい……って言うだろ」
ハブネーク「戦い遭って……芽生える物もある………この世に…わかり合えないポケモンなんざ居ないのさ……」


チルタリス「貴方たち……自分のした事がわかってるの?」

ザングース「へへ……腹はくくってるよ」

フライゴン「そうか……よくわかったふりゃ。もう一発地震!!」ドォン!


ザングース「」
ハブネーク「」

フライゴン(戦いから芽生える物……俺とあいつは、なぜわかり合えないんだ? いつから道を踏み間違えた?)



フライゴン「いや、今からでもきっと……」

チルタリス「??」
95  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/20(土) 18:11:42 id:jKxOIAQE0
そうだ、そういえばあの時、声が聴こえた

(【たす……け……て……】)


フライゴン(チルタリスは声が出せなかった筈だし、出せても届かない。じゃあ、あれは一体……?)

チルタリスフライゴンくん……何か来るわ!!」

ザパァン!!


キングドラ「終わったようだな」

フライゴンキングドラ!!」
チルタリス「誰? 知り合い?」
フライゴン「あァ……ちょっとふりゃ(チルタリスは114番道路に住んでるのにキングドラの事を知らないのか?)」


フライゴン「あ、そうだキングドラ……助けてくれてありがとう。…というか何で助けてくれたんだ?」

キングドラ「俺も奴らに……600族に怨みがある。それだけだ」

フライゴン「………どういう遺恨があるか知らんが、お前も奴らを倒したいんだろ?」
キングドラ「だが、お前と共には行けん」

フライゴン「えっ?」
96  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/20(土) 18:17:11 id:jKxOIAQE0
キングドラ「言った筈だ……俺はここに居なければならん。守るべき者が…」
シードラ「兄貴……もういいよ…」

キングドラ「!! シードラ……どこから現れた?」
タッツー「兄ちゃん…僕たちの事はいいんだ」

キングドラタッツーまで…」

シードラ「兄貴……あんたはいつも俺たちの事ばかり考えてた。もういいんだ、あんたには今、やるべき事がある筈だ!」
タッツー「兄ちゃん! ぼくたち大丈夫だよ! 兄ちゃんに鍛えられたから絶対に負けないよ!」

キングドラ「…………」


フライゴンキングドラ……お前が言ってくれたんだ。『お前はお前の信念に従って進め、戦え!!』…と」


キングドラ「フッ……タッツーシードラ……………死ぬなよ」

タッツー「……う、うん」グスッ
シードラタッツーは……俺が守るから。兄貴は何も心配すんな」


フライゴンキングドラ……それじゃあお前…」

キングドラ「良かろう。お前の仲間となり、この力を貸す!!」



チルタリス「うーん、なんだかよくわからないけどフライゴンくんの無謀な企みに味方するポケモンができたのね? それならもう、あたしが反対する理由はないわ!」

フライゴンチルタリス……」

チルタリス「キミに助けられたのも事実だし、戦力にはならないかもだけど貴方に足りない分の頭脳となるわ!」

フライゴン「頼もしい……が、けなされたような………」


キングドラ「決まりだな。必ず600族を潰すぞ」

フリャチルタ「おー!!!」
101 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/22(月) 16:37:41 id:jANnKA6w0

――カイナシティ~ガブリアスside~


ガブリアス「……………………」
サザンドラ「ん? どうしたガブ」

ガブリアス「いやなに…少し気になってな」

ボーマンダ「あの虫ケラのことか? 放っておけ」

ガブリアス「……マンダ。この地方でお前と同じく仲間に入れた奴がいる。奴にこの地方の統制を任せる。奴の事もな」

ヌメルゴン「え? 大丈夫なの?」

ガブリアス「頭の切れる奴だ。……心配ねェだろ」


……バササッ

カイリュー「調べてきたぞ。次の船は1時間後だそうだ」

サザンドラ「あァ!? じれってェなァ!!!」
ガブリアス「慌てることァねェよ。ホウエン地方ともお別れだ。…じっくり楽しんでこうぜ?」



?????「おい。最近暴れている600族というのは貴様らか?」

ガブリアス「…!!! テメェは……!!?」
102 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/22(月) 16:52:43 id:jANnKA6w0

フライゴンside~


一行は流星の滝を抜け、115番道路を進む――

フライゴン「よし! 早速、仲間を集めるぞ」

チルタリス「待って! まずは作戦会議よ。適当にポケモンを集めて勝てるような奴らじゃない」

キングドラ「正論だな」


フライゴン「…わかった。それで作戦って…」
チルタリス「ちょっと待って。ずっと気になってたんだけど貴方『非600族ドラゴン軍を作る』って言ったわよね?」

フライゴン「そうだが?」

チルタリス「なんでドラゴン限定なの? 600族の幹部以上は皆ドラゴンタイプ。だったら、それに有利なタイプを集めた方が…」
フライゴン「ドラゴンにドラゴン技は抜群だぞ?」

チルタリス「そうだけど……そういう事じゃなくて…」
フライゴン「目には目を、歯には歯を」

キングドラ「龍には龍を…という事だな」

フライゴン(それ俺の決め台詞なのに……)


チルタリス「なに馬鹿な事言ってるの!? 命を落とすかもしれないのよ!!」

フライゴン「それはお互い様さ。漢と漢の真剣勝負」

キングドラ「そうでなくちゃ俺も張り合いがねェ」


チルタリス「言うだけ無駄みたいね……わかったわ。まずは非600族ドラゴンポケモンを集めましょう」
103 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/22(月) 17:10:33 id:jANnKA6w0
フライゴン「作戦は?」

チルタリス「ドラゴン限定だとかなり数が絞られるわ」
キングドラ種族値600未満の最終進化形だと俺たち三匹、オノノクスクリムガンドラミドロガチゴラスオンバーンだけだ」

チルタリス「そう、だから全員仲間にするに越した事はないの」


フライゴン「成程。……で、そいつらはどこに居るんだ?」

キングドラ「ここには誰も居ない」
フライゴン「え!?」

キングドラ「……カロス。そこへ行けば全員と会えるだろう」

フライゴン「カロス? どこにあるんだ?」

チルタリス「正確な場所は知らないけど……遥か遠くだと聞くわ」
キングドラ「その通りだ」

フライゴン「奴らが何を狙ってるのか知らないけど、……時間はないかもしれない。だけど、仲間がいるなら行く理由はない」

キングドラ「決まりだな」



キングドラ「……そうだ! メガシンカがあった!」

フライゴン「めが……進化…?」

チルタリス「知らないの!? ポケモンの持つ真の力を引き出すとか……とにかく強くなるのよ。あたしも貴方もメガシンカの可能性を秘めてるの」
フライゴン「俺も!?」


キングドラ「――そしてメガシンカする事でタイプが変わるポケモンがいる。つまり…」
チルタリス「それによってドラゴンタイプになるポケモンがいる……って事?」

キングドラ「そういう事だ」


フライゴン「……それで、種族値は?」

キングドラ「わからんが……メガシンカすると多くは種族値が100足されると聞く。――――恐らくドラゴンが付く奴は全員600を超えてるだろうな」

フライゴン「なら、ダメだ」

キングドラ「すまん。愚問だったな」

チルタリス「…………」
104 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/22(月) 17:12:08 id:jANnKA6w0
>>103
「行く理由はない」→「行かない理由はない」
です。すみません
105 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/22(月) 17:20:35 id:jANnKA6w0

チルタリス「……カロスへは飛んで行ける距離じゃないわ。カイナシティから船へ乗って行きましょう」

キングドラ「俺は陸の環境には適応してねェのでな。海を行く。……そうだ、お前にこれを渡しておこう」
フライゴン「これは?」

キングドラ「〝タツノ笛〟という代物だ。俺が必要ならそれを鳴らせ。どこへでも飛んで行こう」

フライゴン「わかった。じゃあな」


――――フライゴンチルタリスキングドラと別れ、それぞれカイナシティを目指す
106 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/22(月) 17:37:05 id:jANnKA6w0

――30分ほど後、カナシダトンネルを抜け、シダケタウンで一休みした二匹は117番道路を進んでいた


チルタリス「もう! なんだったのよあの大量のゴニョニョは!!」

フライゴン「はっはっ! ズバットが出ないだけいいふりゃ」

チルタリス「だけど…」


ズシーーーーン!!!!

チルタリス「きゃっ!! 何!?」

重い何かが地に飛び込んだ音が響く。目の前に現れたポケモンは――





メタグロス「オマエカ? ふらいごんトカイウ奴ハ…」

フライゴン「……!! いかにもそうだが…」
メタグロス「排除スル!!」


チルタリス「何よあいつ!! あれも600族?」

フライゴン「わからない……見たことないな…」



フライゴン「おい! お前はガブリアスの仲間か!?」

メタグロス「ソウダ。『80-135-130-95-90-70』俺ノ数字。コノ地方ヲ任サレタ。ヨッテ邪魔者ハ排除スル」

チルタリス(結構べらべら喋ってくれるのね…)


フライゴン「話の通じる相手じゃなさそうだな……いいだろう! 返り討ちにしてやるふりゃ!」
107 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/22(月) 17:57:38 id:jANnKA6w0

フライゴンチルタリス! お前は下がってろ……地震!!!」

ドドドォォォォォン!!!!


フライゴン「どうだ!? 俺の渾身の一げ…………き……!!?」

メタグロス「オマエノ攻撃ハソンナモノカ?」シュゥゥ

フライゴン「バカな……」


チルタリスフライゴンくん! さっき言ってたでしょ!? 彼の防御種族値は130……そして攻撃種族値は…」
メタグロス「135。冷凍ぱんち」


パリィン……

チルタリスフライゴンくん!!!」


フライゴン「畜………生…」ドサッ


チルタリス「……!! よくも…」

メタグロス「後ハオマエダケダ」

チルタリス「バカにしないでよね! あたしがここでじっと見てただけだと思ってるの?」

メタグロス「?」

チルタリス「コットンガード……積んでたの。あんたなんか焼き殺してやるから!」



メタグロス「…………………………ふっ……ふふっ」

チルタリス「…!! 何がおかしいの? 気味悪いわね」

メタグロス「俺トシタコトガ笑ッテシマッタヨ。オマエノ行為ガ無駄ナ事ダ……トイウ意味ダ」

チルタリス「え?」

メタグロス「見セテヤロウ……〝真ノ力〟ヲ……!!」
108 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/22(月) 18:12:15 id:jANnKA6w0

フライゴン(う……うぅ…俺は敗けてしまったのか……!! ……チルタリス!? あいつと戦おうとしているのか!?)

フライゴン「俺は……なん…て………非力なんだ……!!」




チルタリス「真の……力? どこかで聞いた様なフレーズね」

メタグロス「見レバワカル………〝めがしんか〟!!!」

チルタリス「あ! そうだメガシンカ! ……ってあたしが言ったんだった真の力って」


キュィィィン……ドン!!


メガメタグロス「今ノ俺ハ……700」


フライゴン(あれがメガシンカ……!! ん?何だこれは?)

フライゴン「これは……グドラがくれた笛………!! そうか…グドラを呼べば…」


ヒュルルルルルルル…………ピューーーー!!!

メガメタグロス「グ! ナンダコノ下手ナ笛ノ音ハ!?」

チルタリス(フライゴンくん!! 良かった無事だったのね…)


チルタリス「隙あり!! 火炎放射!!!」

ゴォォォオ!!!


メガメタグロス「……効カン。めがダカラ」

チルタリス「そんな……!! フライゴンくんの攻撃と合わせてもダメなの!?」

メガメタグロス「終ワリダ。冷凍ぱんち」


パリィン……
109 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/22(月) 18:19:49 id:jANnKA6w0

フライゴン「……チルタリス!!!」



メガメタグロス「――ホウ……アレヲ耐エルカ」

チルタリス「言った筈よ、積んでるって! 終わりなのはあんたの方よ!!」

チルタリス(……とはいえ…なんて火力! 4倍弱点とはいえ不一致75。こっちは3段積んでてこのダメージ!!!)


メガメタグロス「ソウダナ……確カニオマエハ………詰ンデルナ」

チルタリス「!? 何を…」
メガメタグロス「ばれっとぱんち」


ガガガ!!!

チルタリス「そん……な…」ドサッ


フライゴンチルタリスーーーーー!!!!」
110 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/22(月) 18:39:36 id:jANnKA6w0

メガメタグロス「がぶりあすガ気ニシテタカラドンナ奴カト思エバ……コノ程度ノ奴ラカ」

ギュィィィィィン………

メタグロス「クダラン」



フライゴン「お……おいチルタリス………しっかりしろ!! 大丈夫か…?」

チルタリス「う……ハァ………大丈夫に…見える?」

フライゴン「ぐっ……すまん…」


メタグロス「別レ言葉ハ済ンダカ? サぁ死ネ」

チルタリス「ちょ、ちょっと待って! ハァ……」

メタグロス「ナンダ?」

チルタリス「あなた達の……600族の目的が知りたいの…」

フライゴン(時間稼ぎか………本当にグドラは来るのか?)


メタグロス「オマエラニ教エテヤル義理ハナイ。……ダガ、特別ニ教エテヤロウ」

チルタリス(思った通り……口の軽い奴)


メタグロス「がぶりあすノ目的ハ『龍ノ国』ヲ創ル事。『龍ノ国』……即チ、強者タチノ〝世界〟ソノモノ」

フライゴン「世界? ただの国じゃないのか?」

メタグロス「左様。がぶりあすハ世界ヲ統一シ、自分ノ色ニ染メ上ゲヨウトシテイルノダ。マサシク、真ノ強者ノ歩ム道」

フライゴン「強者の……ねぇ………俺はそうは思わんが」
メタグロス「何ヲ言ウ! 男ノ憧レル道! 故ニ俺ハ奴ノ下ニ就イタ。ソシテ、次ノ〝皆既日食〟……ソノ時『カントー地方』デ…」







ガブリアス「喋り過ぎだ。そのぐらいにしとけ」ザッ…

フライゴン「……!!! え!!? ……ガブリ…アス………!!!?」
114 名無しのデデンネ[ >>75 ◆U/zraVIh8E] 2014/09/23(火) 12:53:07 id:JsAdlxnY0
ガブリアス「……なんちゅうザマだフライゴミ」
フライゴン「な……なぜお前が……ここに居る!!!」

ガブリアス「居たら悪ィか? 最後にそのマヌケなツラを拝みに来たんだよ」

フライゴン「最後……?」

ガブリアス「俺とお前じゃ世界が違いすぎる。二度と会う事はねェだろうし……俺もそれを望む」


ガブリアス(もし、次に会う事があったら……その時は…)



メタグロス「スマナイ、がぶりあす。ツイ口ガスベッテ……」

ガブリアス「あァ、お蔭で俺たちの目的地がバレちまった。…が、まあいい。わかったところで誰も何もできやしねェさ」

チルタリス(やはり彼らの目的地はカントーね。……嘘をついてる様には見えなかったし…)


フライゴン「…………チッ、グドラはまだか!?」ボソッ

チルタリス「え!? あの下手クソな…あ、いや個性的な笛の音で呼べたと思ってるの?」

フライゴン「…ん? どういう意味だ?」



ガブリアス「さァメタグロス! 今度こそ何も喋らずこいつらを…………!! おい、何か降って来るぞ!?」

チルタリス「な、何よアレ!!?」
フライゴン「隕石!? 流星群か!?」

メタグロス「流星群ノヨウニモ……ぽけもんノヨウニモ見エルガ…」

ガブリアス「!!! こっちに降って来んぞ!?」









キングドラ「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!! ジェット流星群!!!!」


ヒューーーーー……チュドドドォォォォン!!!!!
115  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 13:17:36 id:JsAdlxnY0
一瞬の出来事であった。ガブリアスに向け天から一直線に物凄い速さで突撃したキングドラと流星群
……激突し、117番道路に凄まじい衝撃が走る

木々が吹き飛び煙塵が舞う…………だが、その先に俺たちが見たのは予想とは違う光景だった


チルタリス「……! 一体…」
フライゴン「…キングドラ!! ガブリアス………」

キングドラ「――いきなり王の首は取らせて貰えねェ……ってか?」


メタグロス「ぐ……己………!!」シュゥゥゥ…

メタグロスガブリアスを庇って攻撃を受けたのだ!!!


ガブリアス「……!!! お前…」

メタグロス「無事……カ…?」ドサッ

ガブリアス「あァ……大丈夫だ…」



サザンドラ「お~~~いガブゥ!!! 何してんだーー!!? もう船が出るぞ早く来い!!!」


フライゴン「あいつは…!!!」
チルタリス「600族の幹部?」
フライゴン「……あぁ」


ガブリアス「あ!? もうそんな時間か!! 悪ィな迎えが来た。後はお前に任せるぞメタグロス

メタグロス「…!! マ、待ッテクレ! 俺ハモウ今ノ一撃デ戦闘不能ダ!!」

ガブリアス「……チッ、元気の欠片だ使え」ポイッ

メタグロス「スマナイ…」


チルタリス「何よその態度!! そいつはあたし達の敵だけど……あんたの事、命を張って守ったのよ!?」

ガブリアス「フン、勘違いするなよ。俺は別に庇って貰わなくても問題なかった! こいつが勝手にやった事」
チルタリス「……!!」

ガブリアス「それに……こいつは幹部未満の下っ端だ。そんな奴に敗けるようじゃ……なァ、フライゴミ」

フライゴン「………くっ!」
116  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 13:21:53 id:JsAdlxnY0

サザンドラ「おい早くしろって!!!」



ガブリアス「さて、じゃあな雑魚共」


キングドラ「待て! 逃がすものか!!」

ガブリアス「うん? やはりそうか……お前はあの時の…」
キングドラ「!!!」

ガブリアス「だが5年も前の事なんてもう恨んじゃいねェさ。安心しろ」

キングドラ「そうか……お前が気にしてなかったのは意外だが…俺はお前を許さん!!」


メタグロス「オイ、貴様ノ相手ハ……」


キュィィィン……ドン!!

メガメタグロス「コノ俺ダ」


ガブリアス「ハハッ! 精々、生き延びるんだな」キーン…


キングドラ「畜生が……逃げられたじゃねェか!!」

キングドラ「おいフライゴン! チルタリス! これを使え」パス!

フライゴン「これは元気の欠片……いや元気の塊か!」

チルタリス「た、助かった……」


キングドラ「時間はねェんだ……さっさと片付けるぞ!!」
117  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 13:30:32 id:JsAdlxnY0
――数分後


メタグロス「」


キングドラ「……なんて硬さだ! 俺の特攻が下がってなけりゃァもっと早く倒せてたんだが…」
フライゴン「悪い……キングドラ。俺だけじゃ何も……できなかった…!!」

チルタリス「しかし…よくあんな笛の音で場所がわかったわね。本当に〝飛んで〟来るとは思わなかったわ」

キングドラ「陸は渡れんからドロポンの勢いで飛んで来た。あの笛は先祖代々伝わる家宝だ。適当に吹いて問題ねェ。」

チルタリス「なんとなく矛盾してる気もするけど、そんなに大事な物だったのね」

キングドラ「……元はタッツー達に持たせてた物だ。が、お前らに持たせて正解だった」



フライゴン「……奴らはもう遠くだ」

チルタリス「あたし達も急ぎましょう!」


キングドラ「――先が思いやられるな…」

フライゴン「……………………」
118  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 13:33:17 id:JsAdlxnY0


――カイナシティ、船乗り場


フライゴン「……ちょっと失礼、ここにガブリアスというポケモンは来ましたか?」

ゴーリキー「ん~~~~ガブリアスー? あーあーそういや来たよ! さっきの便で『カントー地方』に行ったぜ」

フライゴン「やはりか……」

ゴーリキー「いやーおっかねェポケモン達だったが、あのガブリアスって奴ァいい男だったぜ~」


フライゴン「…………次のカロス行きの船は30分後だな。失礼しました」

ゴーリキー「あ! ちょっと待ちな兄ちゃん! みんな強そうなポケモンだったが、そいつらなんか凄そうなポケモン連れてたぜ」

フライゴン「ん? それは…」

ゴーリキー「メチャクチャ強そうな青と赤のポケモンだ」

フライゴン(青と赤? ………ガブリアスもそうだが………………! ボーマンダか?)
119  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 13:36:53 id:JsAdlxnY0
俺は、船乗り場を出た


キングドラ「おいフライゴン。やはり……」
フライゴン「……間に合わなかった」

キングドラ「そうか……チルタリスはどうした?」

フライゴン「市場で買い物だそうだ」

キングドラ「……一緒に居てやらなくていいのか?」

フライゴン「…………」
キングドラ「…………」

フライゴン「……………………」
キングドラ「……………………フライゴン、気を落とすな」


フライゴン「だが、……あんまりじゃないか! 奴らの下っ端に俺は敗け、チルタリスも…守ってやれなかった!!」

キングドラ「前を向け。お前が後ろを向いてたら俺たちはどうすればいい? 軍を組織するのだろう? お前がリーダーだ。そのお前が挫けてどうする!!!」


フライゴン「……………………本当に、」
キングドラ「ん? なんだ?」

フライゴン「本当に、俺たちは戦わなくちゃならないのか? 本当に……それしかないのか?」

キングドラ「何を今更……戦わずに済むなら、俺はこんな思いはしちゃいねェさ…」

フライゴン「……?」

キングドラ「俺は、……奴らだけは許さねェ!!!」


フライゴン「………教えてくれないか、お前に何があったか」

キングドラ「…………」


キングドラ「――今、俺たちの眼前に広がる海……134番水道――そこであの日、


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
120  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 13:38:27 id:JsAdlxnY0

キングドラ(5年前)「……母さん? どこに居る…」

母が居ない、俺たちの棲み処に。

キングドラ「……ハァ、どこへ行っ…」
カイリュー「おい」

キングドラ「ん? なんだお前は? 見かけない奴だ」

カイリュー「逆鱗」

キングドラ「何!? ……ぐおおおぉっ!!!」

******************************************************************

キングドラ「む……ここは…」

目が覚めると薄暗い貨物庫の様な部屋に居た。体が縄で縛られている

キングドラ「あの野郎にやられたのか……こんな縄で俺を捕らえたつもりか!?」


俺は縄を引きちぎった。一体、誰がなんの目的でこんな事を…
チッ、状況が飲めねェが……早くあいつをブッ飛ばして母さんも…ん!?

キングドラ「まさか……母さんも奴らに…?」


?????「助……けて」

キングドラ「!! 母さんか!?」


シードラ「俺とこいつを……助けて下さい…!!」
タッツー「うっ……うっ……」

キングドラ「………………」

こいつらも俺と同じ様に……こんなガキまで…!!


「なんだなんだァ!? 騒がしいぞ糞野郎共!!!」ズンズンズン

キングドラ「……!! 誰か来る…」


ガチャッ!!

バンギラス「おい!!静かに……!? だ、誰も居ねェぞォォォォォ」
121  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 13:40:15 id:JsAdlxnY0

――龍の大船~甲板~


バンギラス『最下層より連絡! 27号室に閉じ込めた三匹が脱走しました!!』

ガブリアス「遅ェよ馬鹿……ここに居る」


キングドラ「………………」

タッツー「う、うぅっ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
シードラ「バ、バカ泣くな!! 今日から俺がお前の兄貴だ!! 何も心配しなくていい……俺だって…泣きたいよ……」


キングドラ「………」チラッ
カイリュー「………………」


ガブリアス「おい、小僧。今からいいモン見せてやるよ」

キングドラ「?」


サザンドラ「おーい連れて来たぜー!」ポイッ

キングドラ「!!! か、母さん!?」

キングドラ母「うっ、あんた……なぜここに!?」


ガブリアス「よーーーーく見ておけ!!」ギラッ!
キングドラ「待て! 母さんに何を…」
キングドラ母「私の事はいい!! あんたは逃げ…」

ザクッ

母が殺された。俺の目の前で――

キングドラ「……!! う、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!?」
122  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 13:43:32 id:JsAdlxnY0
ガブリアス「この女は俺たちを潰そうと企んでいた。軍を統率して……な。死んで然るべき。…で、お前の合計種族値は?」

ヌメルゴン「540だよ」
ガブリアス「そうか、残念だなァ…。俺たち600族の傘下となって共に世界を支配する気はないか? 勿論、断れば母の後を追う事になる」

キングドラ「黙れ。……黙れ、黙れ黙れ黙れ黙れ黙れェェェェェェェェェェ!!!!」

ガブリアス「なら死ね。ドラゴンク…」


その時、天は俺に味方した

ヌメルゴン「……雨?」

キングドラ「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお流星群!!!!!」


ヒュー……ドドドドドッ!!!

ガブリアス「…!!! ぬおおおおおおっ!!?」



ガブリアス「……ぐはっ…奴らは!?」

カイリュー「逃げられた様だな…船の損傷も大きい。間もなく沈むだろう」

ガブリアス「チッ……糞野郎が…」



――俺たちは必死で逃げ、辿り着いたのが114番道路。随分と遠くまで船は進んでた。どうやら俺は随分眠ってたらしい

キングドラ「…………一体、どうすりゃ…」

シードラ「………………」
タッツー「に、に…」

キングドラ「ん?」

タッツー「にい……ちゃん」

シードラ「こいつ……初めて喋った…」

キングドラ「………そうか、………俺は…今日からお前らの兄だ」
シードラ「え!?」

キングドラ「俺が…守るから。………幼くして父を亡くした……母も死んだ…………もう誰かが死ぬのは…嫌だから……!!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
123  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 14:01:36 id:JsAdlxnY0

フライゴン「……野暮な事を聞いてしまったな…」

キングドラ「…………本来、俺たちの種族は海でしか生きられねェが俺は環境に適応した」
キングドラ「尤も幼い頃から114番道路に住んでた弟たちは、海には出られなくなったがな」


フライゴン「……そういえば、流星の滝で会ったザングースハブネークはどうなったんだろう?」

キングドラ「あの賊共のことか? 風の噂で捕まったと聞いたが…それがどうした?」

フライゴン「奴らの言ってた事が気になってな…」

(ハブネーク「この世に…わかり合えないポケモンなんざ居ないのさ……」)


フライゴン「奴と…ガブリアスと俺も……わかり合う事はできないのか? 殺るか殺られるか、それしかないのか!?」

キングドラ「…………お前…」
フライゴン「奴らはこうも言っていた。『戦い遭って芽生える物もある』…と。俺たちは昔から散々戦ってきたんだよ!!!」

キングドラ「戦って……その結果は?」

フライゴン「……!!!」



フライゴン「俺が勝った事は………一度もない」

キングドラ「なら勝て! 今までと同じじゃ何も変わらねェ、平行線のままだ。俺は奴を許せねェが……お前のしたい様にやれ!!」

フライゴン「ありがとう。そうか………おれが勝つ! それで変わるのか…?」




キングドラ「いずれにせよ………戦いは避けて通れん」
124  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 14:03:41 id:JsAdlxnY0

チルタリス「お待たせ~~~!! どうしたの? そんなに神妙な顔して」

フライゴン「あ、いやなんでもない。もうそろそろ時間だ。早く行こう」


――船乗り場


ゴーリキー「お~~待ってたぜ兄ちゃん!!」

フライゴン「あァよろしく頼む」
ゴーリキー「いやいやカイリキー船長に行ってくれよ~俺ァ乗らねェんだ。えーと、おたくら三匹でいいか?」

キングドラ「俺は泳いで行く」

ゴーリキー「あァ!? 正気か兄ちゃん!! 冗談でも泳いで行ける距離じゃねェ。水槽用意してやるから乗りな!!!」

キングドラ「……仕方ねェな…」


チルタリス「いよいよね」

フライゴン「いや、まだまだだ。仲間を集めて…そして奴らと戦わねばならない!!! 本当の戦いはこれからだ」
125  >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 14:12:13 id:JsAdlxnY0
――カロス地方、ヒヨクシティに上陸した俺たち三匹は仲間集めに向かった

二手に別れ、俺とチルタリスは南へ、グドラはカロス東側を大きく回りチャンピオンロードを目指す――


――地つなぎの洞穴


ズバット「カーーーーーッ!!」

チルタリス「きゃっ!! もう何よここズバットだらけじゃない!!」
フライゴン「大丈夫だ、こんな奴ら大した事ない。それより本当にオノノクスはここに居るのか?」

チルタリスキングドラが言ってたわ。キバゴは確実に居るがオノノクスが居るかはわからないって」

フライゴンキバゴが居るという事は……当然レベルが上がれば…ん?」


オノンド「お前ら余所モンだな」

フライゴン「お前は……オノンドか?」
オノンド「そうだ。お前ら親分に倒される」
フライゴン「親分? もしかして…」

オノノクス「俺のことだァァァァァ!!!」

チルタリス「ぎゃぁっ!! なんてバカデカい声……」


フライゴン「お前がオノノクスか。俺の仲間になれ」

オノノクス「…………は!?」

フライゴン「遠い地方で600族という奴らが暴れている。奴らは世界をも支配しようと企んでいるんだ! 力になってくれ!!」

オノノクス「600族? なんだそれェ?」

チルタリス「やはり知らないのね。……やっぱり、こんな頼み方じゃ…」
オノノクス「いいぜ♪」

チルタリス「えーーーーー!!?」


オノンド「お、親分!?」

オノノクス「俺も暇してたんだ。よくわからんが俺より調子に乗ってる奴はブッ飛ばす。という訳だ、じゃあな子分共!」

フライゴン「お、おう…よろしくな」

 オノノクスが仲間になった♪
126 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 14:31:45 id:JsAdlxnY0
――8番道路、海岸


フライゴン「……本当に釣れるのか?」
オノノクス「心配ねェって!! お前の持ってるそれは凄い釣竿だぜ! 凄いんだぜ! グレートだぜ!!」

チルタリス「ふわ~ぁ。頑張ってねフライゴンくん」

フライゴン「しかし、1時間ずっとこのままだぞ? お前ら少しは交代…うおっ!!」
オノノクス「掛かったか!! よし、そのまま引けェ!!!」

フライゴン「うおおおぉっ!!!」


ザッパァァン!!

ギャラドス「てめェら…俺を釣りやがったな……」

フリャノクス「……………」


――さらに1時間後


フライゴン「……ったく何匹ギャラドス倒せば…うおっ!」
オノノクス「よっしゃ今度こそ~~~~~!?」

ザッパァァァン!!!!


ドラミドロ「ワシに何の用じゃ?」

フリャノクス「キタ━━━━━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━━━━━!!!!!」


チルタリス「う~~~ん、よく眠った! 釣れたのね? 早く次に行きましょう」

ドラミドロ「ん?ん? ちょっと待ちなされ一体…」
オノノクス「よっしゃ! 2時間も粘った甲斐があったぜ!」

フライゴンドラミドロだな? よろしく!」

ドラミドロ「ふぁ? ふぁ?」

フライゴン「時間はないんだ。急ごう」


ドラミドロ「ハァ………近頃の若者は強引だのう…」

 ドラミドロが仲間になった!
127 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 14:42:41 id:JsAdlxnY0
――コウジン博物館


フライゴン「――つまり、輝きの洞窟の奥で化石を取ってくればいいんですね?」

ガラガラ「〝アゴのカセキ〟だ。それでチゴラスが復元できる」



――一方その頃、チャンピオンロード


キングドラ「俺たちの仲間になれ」

クリムガン「断る」

キングドラ「仲間になれ」

クリムガン「断る」

キングドラ「仲間に…」
クリムガン「断る」


キングドラ「……あー、あれだ。世界の危機なんだ。だから黙って仲間になれ」

クリムガン「断る」

キングドラ「仲間になれ」
クリムガン「断る」

キングドラ「仲間になれ」
クリムガン「断る」
       ・
       ・
       ・
       ・
       ・
       ・
128 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 14:57:36 id:JsAdlxnY0
――9番道路


ドラミドロ「お、お主ら一体目的は…」
オノノクス「しっかしよォ~~~ガチゴラスってのァその復元したポケモンの進化形なんだろ? 復元して進化まで鍛えなきゃならねェのか?」

チルタリス「うーん、どうも時間がないみたいなの。だから、進化までは至らなくても戦力は少しでも確保しないと」

オノノクス「俺の子分たちじゃダメだったのか?」

チルタリス「そんなの………あ!」

オノノクス「はぁ~~~もう別れを告げたんだ。今更、退き返せねェよ」


フライゴン「……………………」

チルタリス「どうしたの? フライゴンくん……考え込んで」

フライゴン「いや、どうもグドラが心配で…ちょっと見て来る! みんな無事でな」バササッ


チルタリス「ちょ、ちょっと!! ………行っちゃった…」

オノノクス「俺たちの他に仲間がいんのか?」

チルタリス「えぇ。あたし達も急ぎましょう」



オノノクス「…つってもなんだよ……このトゲトゲの道はァ!?」

チルタリス「あたしは飛べるから問題ないわ。化石取って来るだけだから貴方たちはここで待ってて」バサッ


オノノクス「あ~~~俺だってこんな道ぐれェ…」
ドラミドロ「ちょっと待てと言っておる! 一体、何が起こってるか簡潔でいいから説明してくれや」

オノノクス「んだよ、うっせェなァ~~!! 要は600族っていう集団が遠くで調子に乗ってっからブッ飛ばそうって事だ!」

ドラミドロ「本当に簡潔じゃな……まあ、大体わかった」
129 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 15:12:33 id:JsAdlxnY0

――輝きの洞窟


ガルーラ「ウチの子に……手を…」ドサッ

チルタリス「ハァ……レベルの低いポケモンばっかりね。これならあたしだけでも…」


「おい!!!」

チルタリス「!!?」ビクッ!



ガチゴラス「貴様も化石を取りに来たか?」ズン!ズン!

チルタリス「え!? このポケモンって…」


――チャンピオンロード


フライゴン「居た! おーいグドラーー!!」

キングドラ「ん? フライゴンか。なぜここに?」


オンバーン「あ、あなたがフライゴンさん!? 俺はオンバーン。宜しくお願いしまッス」ペコペコ

フライゴン「新しい仲間か……よろしくな。…で、もう一匹のクリムガンって奴は…」
キングドラ「ダメだった」

フライゴン「……え!? 会ったのか? ダメって…」
キングドラ「断られた。それにあんな奴はいらん!」

フライゴン「そんな勝手な……」



「あ、あのう…………」

フライゴン「ん?」

キングドラ「お前は!!!」




ジヘッド「ぼ、僕も……仲間に入れて貰えませんか…?」
131 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 15:30:02 id:JsAdlxnY0
キングドラ「貴様は!!?」

フライゴン「誰かに似てるが……誰だ!?」
キングドラ「600族サザンドラの進化前……ジヘッドだ!!」

フライゴン「何……!」


ジヘッド「さっきの……そちらのオンバーンさんをスカウトする時に聞いてたんです。あなた方は600族を倒すんでしょう?」

オンバーン「やいやいやい! 聞いてみればフリャさんグドラさん達の敵、600族の進化前だそうじゃねェか!! そんな奴を…」
ジヘッド「僕は!! ……そのサザンドラを倒したいんです!!!」


フライゴン「なぜ?」

ジヘッド「600族……詳しくは知りませんが遠い場所で暴れ回ってると聞きます」
フライゴン「こんな場所にまで噂が届くのか…!!」

ジヘッドサザンドラ……僕の進化後の姿。でも、僕は進化してあんなに非道になるのなら、進化なんかしたくない! このままで勝って!! 進化せずとも強いって事を教えてやりたいんです!!!」


フライゴン「……下剋上…か………………」

ジヘッド「輝石ならあります!! 個体値は悪いですが努力値は変な場所に入らないように戦いもできるだけ避けました!! どうか!!!」


オンバーン「どうするんです?」
キングドラ「決めるのはフライゴンだ……」

フライゴン「……わかった。お前を仲間にしよう」

ジヘッド「…!!! ホントですか!!? ありがとうございます!! 精一杯頑張ります!!!」

フライゴン「わかってるな? 進化したら軍から外すぞ」

ジヘッド「はい!!! 絶対に進化しません!!!」


 オンバーンジヘッドが仲間になった!


キングドラ「軍……か」

フライゴン「なんだ?」
キングドラ「これは軍ではない。ポケモンを集めただけだ。……まだまだ先は長いぞ」
132 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 15:41:28 id:JsAdlxnY0
――輝きの洞窟


ガチゴラス「す……ずみま゛せんでじた…」


オノノクス「フン!! 反省したなら俺たちの仲間になりやがれ!!!」

ガチゴラス「はい……」


チルタリス「ありがとうオノノクス、助かったわ」

オノノクス「へっ! 一匹で無茶しやがって…」



――コウジンタウン


ドラミドロ「お! 戻って来おったわい!」

オノノクス「あ! じいさん、逃げてなかったか」

ドラミドロ「う、うむ…(逃げると思っとったなら何故、放っておった?)」


チルタリス「よし、後はフライゴンくんが来れば…」



フライゴン「おーーーい!!」


チルタリス「あ! 来た!」バササッ


オンバーン「畜生、重いなオメェ! 軽くなれ!!」バサッ…バサッ
ジヘッド「ひェェ…無理ですよ……すみません」



フライゴンガチゴラス仲間にできたんだな!?」

チルタリス「えぇ、野放しにされたまま進化して化石の番人をしていたの。運が良かったわ」
ガチゴラス(俺は最悪だよ…)


フライゴン「グドラは既にヒヨクシティに向かってる。俺たちも急ごう!!」
133 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 15:52:38 id:JsAdlxnY0
――ヒヨクシティ


フライゴン「お、グドラ! 相変わらず速いな」

キングドラ「ハァ……流石に疲れたぞ…オエェッ!!」


オンバーン「先輩方ァ~~!! もう夜遅いから船は出ないらしいッスよ~~~」


チルタリス「よし、作戦を立てましょう! フライゴンくん、敵の情報を教えて」

フライゴン「わかった。リーダーのガブリアスを筆頭に幹部はサザンドラカイリューヌメルゴンボーマンダの4匹だ」

キングドラ「お、俺ァ雨さえ降ってりゃ……カイリュー以外は問題ねェぜ……」

チルタリス「じゃあ、そのカイリュー対策を考えましょう」

フライゴンカイリューといえばマルチスケイルか……。それをどうするか…」
オノノクス「はいはーい!! 俺の型破りで一撃で沈められまーす!!」

チルタリス「あー!! もう少し小さな声で喋れないの!? 近所迷惑よ!!!」

オノノクス「すみません……。」


フライゴン「だが型破りか…成程、いけそうだな」
134 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 16:23:56 id:JsAdlxnY0

チルタリス「…あれ、そういえばクリムガンってポケモンは? そこにいるのはジヘッドっていう仲間にする予定がなかったポケモンなんでしょ?」

フライゴン「あぁクリムガン……ダメだったらしい」
チルタリス「ダメだったって何よ!?」

フライゴン「どうしてもって断られたそうだ。あれから探しても見つからないし、それなりの事情もあるんだろ」

キングドラ「フン、ビビってるだけだ! あんな奴はいらん!」


チルタリス「…………まあいいわ。それで? そのジヘッドってのは600族の誰かの進化前だって言ってたけど…」

ジヘッド「あ! サザンドラの進化前です。輝石ならあります」


フライゴン「…そうだそれだ、道具だ! まともな道具もないと奴らには…」
チルタリス「ふっふー♪ あたしに抜かりはないわ。カイナ市場で一通り買い揃えたの。最近の市場は品揃えいいわー♪」

フライゴン「そうか流石だな……で、どんなのだ?」


気合の襷×2、気合の鉢巻×1、拘りスカーフ×1、拘り鉢巻×1、拘り眼鏡×1、力の鉢巻×1、物知り眼鏡×1、ゴツゴツメット×1、命の玉×1、達人の帯×1、ハバンの実×1


オノノクス「うおおーー俺は鉢巻がいい!!! 力がみなぎるぜェェ!!!」
オンバーン「俺はスカーフがいいッスね!」

チルタリス「はいはい、勝手に決めないの! 作戦を立てるから!」


作戦会議は深夜遅くまで続いた――
135 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 16:41:49 id:JsAdlxnY0

チルタリス「…………よし、大体決まったわね。夜明けまで時間もないけど、各自できるだけ技を揃えて努力値も降っといてね」

オノノクス「ああ~眠ィな~。努力値をこの周辺だけで降れっつーのか…まあ俺は振り終えてるがな」キリッ
オンバーン「えぇ~~~。俺はまだだよ。今から降るってキツくねェッスかァ?」

チルタリス「つべこべ言わない! さっさと行く!」

一同「は、はい!!」


******************************************************************

フライゴン「ハァ……今日は疲れた。俺はやる事ないし、眠れないな…ん? あそこにいるのはチルタリスか?」


フライゴン「おーーいチルタリスーー!!!」

チルタリス「…!! あ、フライゴンくん…」

フライゴン「お前…何を持ってるんだ? 石?」

チルタリス「え…?」
136 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 16:43:21 id:JsAdlxnY0
チルタリス「え~~~~~!!? 酷い、忘れたの!!?」

フライゴン「な…!?」

チルタリス「この石…小さい時にフライゴンくんがくれたじゃない…。あの時、とっても嬉しくて…今でも大事に持ってたのよ///」

フライゴン「あ! あの石か!! …いや、そんなの忘れる筈ないだろ? ……だが、」
チルタリス「だけどなによ!?」


フライゴン「色が…くすんでてわからなかった…」

チルタリス「え? …そうね、毎日見てたからわからなかったけど……貰った時は凄くきれいだった…だから嬉しかった」


チルタリス「ごめんね。ちゃんと磨いてれば良かった…」

フライゴン「いやいや、まだ持っててくれただけで嬉しいよ。………それと、これ持ってろ」ポン!
チルタリス「きゃっ、何!? …襷?」

フライゴン「護身用に」

チルタリス「ちょっと待ってよ! 作戦に支障が…」
フライゴン「関係ない……もうお前が…倒されるところなんて見たくない。……メタグロスと戦った時、守れなくてゴメンな…」

チルタリス「――気にしてないよ。……わかったわ、襷…持っておくね。ありがとう」


水平線の彼方から朝日が昇る

チルタリス「…あ、もう夜明けね」

フライゴン「……綺麗…だな」
137 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 16:50:09 id:JsAdlxnY0

……1時間後、港に全員集結する――


フライゴン「みんな! 準備はいいか!?」

チルタリス「バッチリよ!」
キングドラ「当然だ」

オノノクス「おう!! 奴らブッ飛ばしてやろうぜ!!」
ドラミドロ「ほっほっほ! 威勢がいいのう…」
ガチゴラス「俺はオノノクス先輩に修行つけて貰ったんだ!! 負けるもんか!!」
オンバーン「いつでもOKッス!」
ジヘッド「僕も…皆さんのお役に立ちます!」



フライゴン「よし、行くぞ……決戦の地はカントー!!! 出航だーーーー!!!!」
138 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 17:01:45 id:JsAdlxnY0

――船上


チルタリス「……で、600族を倒そうってなったの。わかった?」

ジヘッド「成程……そういう経緯で…」
ガチゴラス「600族という輩…許せんな!」
オンバーン「まったくだ!! 種族値の暴力集団め!!!」
オノノクス「zzz…」


ドラミドロ「ちょっと待っておくれ! ……〝皆既日食〟と言ったか…?」

チルタリス「えぇ…そうだけど…」

ドラミドロ「予測によれば……次、それが起こるのは今日の17時頃じゃ!!」

チルタリス「え!?」
キングドラ「何だと…」
フライゴン「くっ……やはり時間はなかったか…」

オンバーン「あ~~早く船、着かねェんッスかね~!!? もうとっくに昼過ぎましたぜ!!!」

フライゴン「そりゃ……遠いからな…夕方ごろになるだろ」

オンバーン「そんなァ!!?」
139 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 17:19:03 id:JsAdlxnY0

キングドラ「だが、時間がわかったところでどうなる? 大事なのは奴らが何をしようとしているか…という事だ」

ドラミドロ「ぬぅん……それじゃが、カントー地方…そして日食。思い当たる節がある。…とある言い伝えじゃ」

フライゴン「…? 話してみろ」


ドラミドロ「『頭上に浮かぶ龍の星、大いなる炎の星を喰らいし時、選ばれし英雄龍、東の地にて世界を喰らう』」

フライゴン「……? …………???」


ドラミドロ「これは言い伝えの一部じゃ。これだけじゃ具体てきな方法はわからんが、……伝承の地はジョウトのフスベシティ。ここでいう東の地はカントーのヤマブキシティ」

キングドラ「ヤマブキといえば言わずと知れた大都会だな」

ドラミドロ「左様。そして、大昔の彼らの文明では月は『龍の星』と呼ばれ、崇められてきた。つまり、日食が起こる時……そこで『英雄龍』と認められる何かと、大地が反応して何かが起こる」

チルタリス「何かって…曖昧ね」

ドラミドロ「何かはわからんが……世界を揺るがす何かという事は確かなんじゃ」


フライゴン「俺たちは……それを止めねばならない…と」

ドラミドロ「そうせねば、世界がどうなるかなどワシにもわからぬ」



オンバーン「船長! 最高速度だ!!」

カイリキー「もう全速力だ!!!」


フライゴン「……間に合ってくれ!!!」
140 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 17:32:10 id:JsAdlxnY0

――ヤマブキシティ~ガブリアスside~


ガブリアス「…………」


サザンドラ「いよいよ…だな」

ガブリアス「あァ……理想の世界は遠くねェ…この〝血の紋章〟が導いてくれる!!!」



――クチバシティ~フライゴンside~


チルタリス「やっと着いた!!」

フライゴン「今、何時だ!?」
オノノクス「ふわ~ぁ……ん? 16時45分だが?」

フライゴン「……後、15分…!!」


キングドラ「わかってるな!! 幹部ばかりに目を向けてたが敵はそれだけじゃねェ!! 下っ端には600族もまだ居るし、600未満の奴も傘下として味方していると聞く。奴ら熱狂的な信者が行く手を阻むだろう」

フライゴン「………言ってる傍から…」



プテラ「貴様らは反抗勢力だな?」
フシギバナ「偉大なる計画の為…消えて貰おう」
アーボック「こっから先へは行かせねェぞォ!!!」


フライゴン「……いや、行かせてもらう」
141 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 17:48:40 id:JsAdlxnY0

――ヤマブキシティ・クチバシティ間、6番道路


オノノクス「あァ~うっとうしいなァ~!!!」
オンバーン「こいつらキリがねェッスよ!!」


カメックス「なんて強さだ……だが、怯むな!! この道を通すな!!!」


フライゴン「なんて数だ……クソ…間に合わないのか…!?」

キングドラ「諦めるな!!! …………と言いたいところだが、…あのバカデカい建物、シルフカンパニーのテッペンを見ろ」

フライゴン「……!!? ガブリアス?!!!」


チルタリス「!? ……空が暗くなっていく…」

ドラミドロ「おぉ…始まるのじゃ……〝皆既日食〟が!!!!」



――シルフカンパニー屋上


ガブリアス「我が血に応えよ眠れる魂。我と紋章に刻まれる英雄達の血に応えよ!!! 我に助力し世界を収めよ〝龍の司殿〟!!!!」


ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……


ガブリアス「戦乱の時代の幕開けだ…」
142 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 17:58:51 id:JsAdlxnY0

フライゴン「なんだ!? この揺れは!!! 地震なんてレベルじゃないぞ!!!」

キングドラ「おっ始めやがったか!!!」


カメックス「ハァ……ハハ…これでいいんだ。伝説をも取り込んだ600族だ。………必ず、世界は変わる…」バタッ

フライゴン「伝説…だと!?」
チルタリス「伝説のポケモンなんて想定してないわ!!」


キングドラ「とにかく今は……走るしかねェ。奴らの元へ…!!」


ドッゴォォォォン!!!!

キングドラ「うおおお!!?」

フライゴン「地形が変動を始めた!!! なんだ……あれは…」


ヤマブキが丸ごとせり上がる。傾斜のキツイ坂……というより、殆ど崖のようなものが出現する
その上に漆黒に包まれた巨大な神殿のような建物がそびえ立つ――


ヌメルゴン「下の方に見えるのはフライゴンだよ!!」

ガブリアス「やはり生きてたか。…………もう誰も引き返せねェ……来い!!!」
143 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 18:10:07 id:JsAdlxnY0

同時刻、世界各地の国々で怪奇な現象が起きていた。様々な重要機関が突如、爆発を起こし消滅していったのだ

衛星が全て墜落、核爆発。世界は大混乱に陥り、国という国は崩壊の一途を辿った


――この世界から秩序が消えた



サザンドラ「ウハハ!! 素晴らしい力だな!! 邪神の力を持つ〝龍の司殿〟…」

ガブリアス「あァ……どれ、幕開けの宣言でもして来るか」





ガブリアス「聞け!!! 全てのポケモンよ!!! この混乱は全部、俺の仕業だ!!! お前らがさぞ怒っている事か……さぞ俺を恨んでいる事か……知ったこっちゃねェよ!!! 夜明けまでに俺を倒せ!!! できなければ世界は俺のモノになる……」


――ヤマブキシティ址、大いなる崖


フライゴンガブリアス……!!!」

キングドラ「行くぞ!! 世界を取り戻す為!!!」
チルタリスフライゴンくん!!!」


フライゴン「あァ……俺はもう敗けない!!!!」
144 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 18:23:14 id:JsAdlxnY0

バシャーモ「ッシャーーーーーー!!!」
キングドラハイドロポンプ!!!」
バシャーモ「シャーー……」


キングドラ「雑魚は相手にするな!!! 頂上を目指せ!!!」

オノノクス「おう!!! 逆鱗!!!」
ラグラージ「ぐわぁぁぁ」


フライゴン「くっ……先は長…!!」


なんだ、この気配は……!!!

チルタリスフライゴンくん!! 後ろ!!!」



バンギラス「不意をつくようで悪ィが…」


キュィィィン……ドン!!

メガバンギラス「死ねェ!!! 冷凍ビー…」
?????「馬鹿力」

ドゴォォォン!!!!

メガバンギラス「グハァ!!!? なん…だと……」ドサッ


フライゴン「ん?」
キングドラ「貴様は……!!! クリムガン!!!」

クリムガン「へっ!! 勘違いすんじゃねェ!! 気になったから追って来ただけだ!!! さ、寂しくて仲間に入れて欲しかったとかじゃねェからな///」

キングドラ「フッ……顔が真っ赤だぞ」
クリムガン「うっせェ!! 元からだァ!!! ……さっさと珠よこせェ!!!」

チルタリス「えぇいいわよ。余ってたから」


フライゴン「すまん助かったクリムガン。……これで全員!!!」

 クリムガンが仲間になった!
145 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 18:33:21 id:JsAdlxnY0

オンバーン「……!! 前に三匹強そうなのが!!!」

フライゴン「………?」



リザードン「黙って従ってりゃいいものを…」キュィィィン…
ジュカイン「なぜガブリアス様に抗う?」キュィィィン…
デンリュウ「愚かだ」キュィィィン…


ドン!!!!

メガリザードンX「降伏するなら今の内だ!!!」
メガジュカイン「叩き潰してくれる…!!!」
メガデンリュウ「馬鹿につける薬はねェか」


キングドラ「奴らだ!!! メガシンカによってドラゴンになるポケモン達!!! ……全員種族値は600越え……!!」

オノノクス「あいつら全員と殺り合わねェといけねェのか!!?」
ガチゴラス「骨が折れますね……」
146 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 18:35:51 id:JsAdlxnY0

オンバーン「いや……ここは俺に任せて欲しい」

フライゴン「ん? お前、何をする気だ!?」

オンバーン「俺が囮になりますッッ!!!」

フライゴン「馬鹿な事を言うな!! 死ぬぞ……?」
オンバーン「それでも構わねェ!! 俺はあんたに従うって決めたんだ!!! 生まれて初めて誓ったんだ!!! グドラさんの話に感動して……だから!!! 最後に少しぐらいワガママ言わせて下さいよ…」

フライゴン「……………………」


オンバーン「やいお前ら!!! 俺が相手だ!!!」

メガデンリュウ「囮……か。その手には乗らん」

オンバーン「それともお前ら……もしかして三匹掛かりで俺一匹倒せねェの?」

メガ三匹「……あ?」カチーン



フライゴン「……行くぞ」
チルタリス「え? でもオンバーンが…」
フライゴン「奴の犠牲を無駄にする気か!? ……辛いが、振り返るな…」

キングドラ「……………………」



メガジュカイン「チッ!!すばしっこい奴め!!」

オンバーン「必ず!!! ガブリアスを倒して下さい!!!!」
147 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 18:42:17 id:JsAdlxnY0

フライゴン「………後、少しだ」

キングドラ「俺たち以外にもここを登る奴らが大勢いるな……だが、傘下に敵わんか…」


ラティオス「そこまでだ」


チルタリス「…え!?」


ラティアス「ここから先へは通さないよ」


フライゴン「何だ!?」

チルタリス「伝説のポケモンよ!! ラティアスラティオス!!!」

フライゴン「こいつらが……!!」


ラティオス「お前らは何の為に戦う」

フライゴン「……………………!! 守るべき…者の為」


ラティオス「そうか……」


クリムガン「おい!! ここは俺に任せろ!!」

フライゴンクリムガン!! お前まで…」
オノノクス「俺も戦う!!! だから二対二!! 囮じゃねェ!! 心配すんな!!」

フライゴン「……くっ」


ラティアス「お兄ちゃん……」
ラティオス「………良かろう。その勝負引き受ける」


フライゴン「行くぞ……俺たちはガブリアスの元へ!!!」
148 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/23(火) 18:47:38 id:JsAdlxnY0

――龍の司殿前


司殿の頂上から眺める五匹と……それに挑む六匹が対峙する――


ガブリアス「――来たか」

カイリュー「無駄な事を…」
ボーマンダ「我らに逆らうとどうなるか……教えてくれる!!!」
サザンドラ「全員ブッ殺してやろうぜェ!!?」
ヌメルゴン「これが避けられない戦いなら……戦う!!」



フライゴンガブリアス!! ……お前を倒しに来た!!!」

チルタリス「私は…外で待ってるね…」
キングドラ「遂にここまで来たか…」
ジヘッド「必ず……サザンドラを…!!」
ガチゴラスオノノクスさんの為……戦う!!!」
ドラミドロ「さて……ワシの力まだ通用するか…」


いよいよ最終決戦が始まる……!!!
150 名無しのデデンネ 2014/09/23(火) 20:07:00 ID:4ZPjp30Y0
乙かれ~


グドライケメン過ぎていい。

支援してます!
153 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/24(水) 17:00:47 id:uqxm5TGU0

気づけば日は沈み、辺りは暗闇に包まれている。夜明けは、そう遠くないだろう――


ガブリアス「お前らは登って来るのに夢中で気づいてねェだろう? ……今、世界で何が起こっているか」


フライゴン「何の話だ?」


ガブリアス「この司殿の力さ……世界の全てが俺の掌の上にある。混乱したポケモン共は怒り狂い俺を殺しに来る」


キングドラ(成程……先のガブリアスの宣言はそういう事か。大体状況は読めた)

フライゴン「しでん? ……それで世界を支配しよう…って訳じゃないんだろ?」


ガブリアス「当然だ。これはまだ前座に過ぎん。……夜明けと共に本当の戦いが始まる」


フライゴン「お前は一体何を考えている!? これから何が起こるんだ!!?」


ガブリアス「おっとここまでだ。そんなに俺と話がしたきゃ……俺をブチ殺したけりゃここまで来い!!」


フライゴン「言われなくても……行ってやる!!!」ギューン!!

チルタリスフライゴンくん!!!」
キングドラ「無茶な事を……」


ガン!!

フライゴン「ぐわっ!! なんだ……壁?」


ガブリアス「結界だ。道を踏み外すな、司殿の中を通って来い」

ガブリアス「サザン!カイリューボーマンダヌメルゴン! 時間だ。配置に付け」

サザンドラ「おう!」
カイリュー「御意」
ボーマンダ「了解した」
ヌメルゴン「う、うん…」



ガブリアス「さァ…………夜は長いぜ?」
154 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/24(水) 17:09:55 id:uqxm5TGU0

フライゴン「クソが……なんだよ結界って…」

キングドラ「バカ。あのまま突っ込めてたら幹部達に潰されてた。……冷静になれ。仲間たちの努力と…犠牲を無駄にする気か?」

フライゴン「……悪かった。つい頭に血が上って…」


フライゴン「そうだ。チルタリス、お前は…」
チルタリス「えぇわかってるわ。あたしが薬を一通り持ってる。みんないい? ここに居るから危なくなったら引き返すのよ?」

ガチゴラス「ガッガッガ!! 心配には及びませんよ! 俺は敗けん!!」

チルタリス「そういう奴に限って早々にやられるのよね……でも本当にあたしは戦わなくていいの?」

フライゴン「薬を守ってもらうって意味合いもあるが……これで数が合うんだ」

チルタリス「どういう意味?」

フライゴン「五対五……だ。よし! 行くぞ野郎共ォ!!!」

一同「おー!!!」ドドドドド



チルタリス「まったくあいつは……フフ。ちっとも変わらないわね」
155 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/24(水) 17:24:13 id:uqxm5TGU0

――龍の司殿1階


キングドラ「おいフライゴン。ここに水路が引いてある。俺はここから行く!」

フライゴン「わかった。気をつけろよ!」


俺たち四匹は司殿内を進む――

フライゴン「しかし……本当に何もない通路が続くな…」

ジヘッド「逆に恐くなりますね…」

ガチゴラス「ドンドン進もうぜ!?」



ドラミドロ「ハァ……ハァ……お~い待ってくれ~……」

ドラミドロ「――行ってしもうた……ハァ……年寄りはもっと…」
ボーマンダ「おい」

ドラミドロ「ぬおっ!! なんじゃどこから現れた!!!」

ボーマンダ「なんだ、このジジイは……まずは一匹、討らせてもらおうか?」

ドラミドロ「ぬぅ……年寄りだからといって舐めん方が身の為じゃぞ?」

 ボーマンダVSドラミドロ


――龍の司殿2階


フライゴン(順調だ、いや順調過ぎる………ここまで全て一方通行……違う! 扉が閉じられてる様に見える場所が幾つもあった。まるで導かれている様な…)


ジヘッドフライゴンさん! ちょっと待って下さい!!」

フライゴン「ん? どうした?」

ジヘッド「ハァ………ハァ……ガチゴラスさんもドラミドロさんも居ません!!」
フライゴン「何!? クソ……夢中で気がつかなかった…!! どうやら順調に進んでる訳じゃないらしいな」


ジヘッド「――どうします?」

フライゴン「先へ進む。俺たちにはそれしかない」
156 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/24(水) 17:33:27 id:uqxm5TGU0

――龍の司殿地下1階


ガチゴラス「痛てて……なんだよ落とし穴って!!! もっと、こう……カッコイイ罠はねェのか!?」


ヌメルゴン「う……あぁ…誰か落ちて来ちゃった…」

ガチゴラス「ん? 何だオメェは?」

ヌメルゴン「僕は……戦いは嫌いだけど…こうなった以上は戦う!!」

ガチゴラス「落とし穴の下で待ち構えてて何言ってんだ?」

 ヌメルゴンVSガチゴラス



――龍の司殿裏、貯水庫


キングドラ「雨乞い!!」


ザァァァァァ……

キングドラ(敵はいつ、どこから来るかわからねェ………慎重にいかねェと…だが、雨乞いのPPも…)

ドン!!


キングドラ「なんだ!? ……お前は…!!!」

カイリュー「……その顔は………5年前に見た気がするぞ?」

キングドラ「――…一番、遭いたくねェ奴に遭っちまったな…」

 カイリューVSキングドラ
157 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/24(水) 17:52:08 id:uqxm5TGU0
――大いなる崖5合目


メガリザードンX「あー!!! イライラすんなァ逃げてねェで真面目に戦え!!!」
メガジュカイン「ブッ潰してやる!!!」

オンバーン「大真面目だ!! ……そろそろ仕掛けるか。トリック!!!」


しかし うまく決まらなかった!!

オンバーン「…? スカーフトリックが失敗した!?」

メガデンリュウ「こいつは傑作だな!!」
メガリザードンX「ガハハハハ!!! お前の持ち物はスカーフなんだな? ……死ね!!」


――大いなる崖9合目


クリムガン「俺の相手はお前だ青いの!!」

ラティオス「構わん」

クリムガン(何が伝説……こいつはエスパーだろ? そんな奴、あの技を決めれば一撃だ!)

クリムガン「不意打ち!!!」
ラティオス「身代わり」ポン!


クリムガン「……え? 読まれた……だと?」

クリムガン「…………ウガァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!! 畜生ォォォォ!!!!」



ラティアス「龍の波動!」ギュゥン!
オノノクス「フン!! この程度の火力かァ!? これじゃ襷もいらなかったな。龍の舞!!」


ドルルルルン!!!

オノノクス「さァブッ潰してやる!! 逆り……」
ラティアス「龍の波動!」


ドッギュゥン!!!

オノノクス「グハァッ!! ……な、なぜ…」
ラティアス「残念ね♪ 私は最速スカーフなの」
158 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/24(水) 18:03:41 id:uqxm5TGU0

――龍の司殿2階


ジヘッド「ハァ……ここは?」

フライゴン「大広間に出た様だな。外装から見て恐らく三階建て。奥に階段がある……この上のさらに上に奴がいる…」



サザンドラ「お~~っとォ、そりゃどうかな?」

フライゴン「お前は……!」
ジヘッド「…………………………!!!」


サザンドラ「随分と弱そうなポケモン連れてんなァ~~俺の劣化か?」

ジヘッド「……だ、黙れ!! 貴様の相手は僕だ!!」

サザンドラ「お~~~~よく言えましたね~。でも違うな。『あなた様にブッ飛ばされに来たのは僕でーす』だ」


フライゴン「おいジヘッド…」
ジヘッド「わかってます……ここは僕に任せて先へ進んで下さい!」

フライゴン「……わかった」


サザンドラ「待て待て待て待て行かせるかァ!!! ガブの元へは誰も…」
ジヘッド「行った筈だ! 貴様の相手は僕だ……僕一匹倒せない…よ、弱虫が二匹まとめて倒そうと…?」ブルブル

サザンドラ「…あ? 今なんつった? え? いいだろう、その勝負乗ったるぜ!!!」

 サザンドラVSジヘッド


フライゴン(相変わらず挑発に乗りやすい奴らだ……先へ進ませてもらおう)

フライゴン「………無事でな。ジヘッド!」
159 今日はここまで ◆U/zraVIh8E 2014/09/24(水) 18:30:05 id:uqxm5TGU0

サザンドラ「どっからでも掛かって来い!!! ……じゃねェ! 俺からだ!! 流星群!!!」


チュドドドドォン!!!!


サザンドラ「フッ……あっけねェな…どうせ輝石だろ? それじゃD特化でも俺のC特化眼鏡流星群は耐えられん。いやぁ~これが決まると気持ちいいね」




ジヘッド「まだ勝負は終わってないぞ!! サザンドラ!!!」

サザンドラ「!!! バカな!!? ……レベルは大差ない筈…………! そうか………ハバン…か」

ジヘッド「そうだ! ……でも運が良かった。僕の個体値が中途半端なせいで実は低乱数だった………天は僕らに味方したんだ!」


サザンドラ「――そりゃそうだな……ドラゴン技一発受けるだけならハバンのが良いに決まってる。……だが、なぜ襷じゃねェ!?」

ジヘッド「俺は自分の耐久で耐えたかった……いや、正直に言うと余ってなかったんだけど……とにかく貴様は終わりだ!!」

サザンドラ「ま、待て待て待て待て話せばわかる!! そうだ俺たちの傘下に…」
ジヘッド「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!! 逆鱗!!!!」















しかし ジヘッドの 攻撃は外れた


ジヘッド「………え?」

サザンドラ「フ……フハハハハハハハ!!! 天は俺に向いたぞクソガキ!!! ………今度こそ終わりだ」
161 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/25(木) 17:54:03 id:JFuRrfEY0
――大いなる崖9合目


クリムガン「」
オノノクス「」

ラティオス「貴様らがここに来る事も……どんな行動を取るかも…全てわかっていた。俺たちの勝利は必然」


ラティアス「ねぇお兄ちゃん。……彼らは何の為に戦うの?」

ラティオスガブリアスは世界を戦乱へ導くべく行動を起こした。フライゴンは……その野望を打ち砕き平和を掴もうとしている」

ラティアス「……本当に戦いの先に平和があるのかな?」

ラティオス「いいか? ガブリアスが戦乱の世にするべく行動を起こした様に、平和もまた何かしらの行動を起こさねば、革新がなければ訪れん」


ラティオス「――元の世では本当の平和は決して訪れない。だからこそ、俺たちは奴に手を貸し行動を起こしたんだ」

ラティオス「これからどうなるんだろう?」

ラティオス「夜明けまでに全てが決まる。そこから先の世界の運命など……誰にもわからん」


リザードン「おい」

ラティアス「……?」

ジュカイン「奴らはどうした? 俺たちの居た場所から先に進んだのは奴らだけだ」
デンリュウ「そこに倒れている二匹と、俺たちが潰した一匹だけ…って事はねェだろ」

ラティオス「さァ……答える必要はない」

リザードン「んだと!?」

ラティオス「俺たちは目的を果たした。もう奴に協力する義理はない。……この先へ行って確かめたいと言うのなら、貴様らの命はないだろう」

ジュカイン「どういう事だ? 一体何を考えてる?」
リザードン「あァ!! よくわからねェが邪魔する奴は……」

ギュィィィィン……ドン!!!

メガリザードンX「消す!!!」
メガジュカイン「裏切り者が!!!」
メガデンリュウ「伝説とは気まぐれな者なのか?」

ラティオス「俺たちも、まだまだ戦わねばならない様だ」

ラティアス「……争いをなくす為の争い。なんだか虚しいね…」
162 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/25(木) 17:56:51 id:JFuRrfEY0

――龍の司殿3階


薄暗く霧が立ち込める空間の中、浮かぶのは二匹の龍の影。自分の信念に従い、戦い続けた二匹の英雄の影――



フライゴン「――屋上に居るものだと思ってたぞ。ガブリアス

ガブリアス「ここに居ちゃ悪ィか? フライゴミ」


フライゴン「いや、手間が省けた。………しかし、なんだこの部屋は? 霧で視界が悪いな」

ガブリアス「この階に何があるかわかるか? …神の力を持つ司殿の中枢部だ」
フライゴン「?」

ガブリアス「この霧は世界の混乱、破壊と共に生み出される物。煙と言った方が正しいか」

フライゴン「……つまり、そこを破壊すれば………この建物の力は機能しなくなるのか?」

ガブリアス「それはできん。行った筈だ、神の力を持つと……ポケモンに破壊する事は決してできないのさ」


フライゴン「――ならば一体…」
ガブリアス「だが、その力は無限じゃねェ。…夜明けと共に役目を終えて千年の眠りにつく」

フライゴン「そういう事か。……そこから先はお前がやる…と」

ガブリアス「当然だ! 神の力で世界征服なんてゴメンだ!! 今は世界を乱しているに過ぎん。秩序を失った戦乱の世を俺の力で支配する。俺自身の力で……な」


ガブリアス「夜明けと共に俺たちは動く。俺たちの力を見せつけた後、世界を一から支配する」

フライゴン「お前が有利な状況ではなく、全てを0にした上で戦おうってのか。世界をブチ壊したうえで支配する。……お前らしいが、…」
ガブリアス「恐怖とか、謀略とか……裏金とか……そんなので世界征服したってなんの面白みも意味もねェんだ。圧倒的な〝力〟……それだけで全てを捻じ伏せる!!! それが可能な世の中にしたのさ!!!」

フライゴン「面白み……? それだけの為にお前は世界をブチ壊したのか!?」

ガブリアス「そうだ。あのクソみてェな生温い世界がどうなろうが知らん。この先は真の強者だけが生き残る世界。俺たちだって勝ち抜ける保証はねェ。お前の様な弱者共は今、死んだ方がいい」


フライゴン「………貴様!! 一夜にして全てを奪われた世界中のポケモン達の想いを…どう思ってるんだ!!!」

ガブリアス「知らねェっつってんだろうがァ!!! ……時間だ。一分で潰してやる」

フライゴン「信じてくれる仲間たちの為…世界の為…!! 俺は絶対に敗けん!!!」

 ガブリアスVSフライゴン――
163 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/25(木) 18:12:37 id:JFuRrfEY0

――龍の司殿地下1階


ガチゴラス「思い出したぞ!! お前はチルタリスの姉貴が言ってた……えーと、600族の紅一点ヌメルゴンとかいう奴だな!?」

ヌメルゴン「そ、そうだよ……やっぱり情報は入ってるんだ…物理は苦手だよぉ………」

ガチゴラス「俺が特殊アタッカーじゃねェ事を死んでも怨むんだな!! ドラゴンクロー!!!」


グシャッ…………

ガチゴラス「ぬめぬめしてんなァ……だが俺のが速かった!! どうだ!!」


ヌメルゴン「痛たた……危なかった…ギリギリだよ。龍の波動!!」


ドッギュゥゥン!!!

ガチゴラス「グハッ!! チッ……あれを耐えるか」

ヌメルゴン「だけど……あのドラゴンクローのダメージ……達人の帯とか…龍の牙?」

ガチゴラス「教えるか!!! だが、お前の攻撃もギリギリ耐えてやったぞ!!!(チルタリスの姉貴の言う通り、耐久に振ってて良かった…)」


ガチゴラス「今度こそ終わりだ!! ドラゴンクロ…」
ヌメルゴン「龍の波動!」


ドッギュゥゥン!!!……


ガチゴラス「ぐっ……はァ…!!? なぜ………お前が先に゛…」

ヌメルゴン「それは……僕の特性が〝ぬめぬめ〟だからだよ…」

ガチゴラス「なん…だ………そりゃ……」ドサッ
164 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/25(木) 18:33:31 id:JFuRrfEY0

――龍の司殿1階


ボーマンダ「年寄りには親切に……猶予を与えてやろう!! 龍の舞!!!」

ドルルルルン!!!

ドラミドロ「占めた! 溶ける!!」

グチョオン…

ボーマンダ「何をしようが無駄だ!! ドラゴンクロー!!!」ザクッ!!
ドラミドロ「ぐっ……龍の波動!!」ドギュゥン!!


ボーマンダ(この火力は……!! 間違いない…火力1.2倍系のアイテム……)

ボーマンダ「……ん? これは……」
ドラミドロ「残念じゃったのう…ワシの毒の棘を受けたか」

ボーマンダ「何!?」

ドラミドロ「その毒のダメージでお主はお終いじゃ!!」

ボーマンダ「ぬおおおおおおお!!!」






ボーマンダ「…なんてな」

ドラミドロ「なぬ!?」

ボーマンダ「俺のラムの実で回復させて貰ったよ……ドラゴンクロー!!」

ザシュッ……

ドラミドロ「あうぅ……」ドサッ



ボーマンダ「危ねェ……油断し過ぎたな」バサッ

ドラミドロ「ま、待て……ど…こへ行く? ……! そっちは…ハァ…ダメだ!! まだ…ワシは……倒…せて…」
ボーマンダ「俺は年寄りの寝言に相手してる暇はねェんで」バササッ……
165 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/25(木) 18:39:08 id:JFuRrfEY0
毎日、あまり進まなくて申し訳ないですが今日はここまで。
フライゴンサイドのポケモンは全員、この後出て来る〝ある道具〟を除き>>134の道具を持っている。それがカギになります。
167 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/26(金) 17:00:37 id:WAXqcVeE0

――龍の司殿3階


ガブリアス「敵に持ち物を見せるとァ……相変わらずマヌケだな。それは鉢巻だろう?」

フライゴン「そうだ! これがある限り…俺は敗けん!!」

ガブリアス「その生意気な口を潰してくれる! ドラゴンクロー!!」

ザクッッ!!!


フライゴン「ぬぁぁっ!! …お返しだドラゴンクロー!!!」

ザクッッ!!!

フライゴン「ぐっ!! 鮫肌が…(この手応え……!! やはりハバンか…)」

ガブリアス「ガハハ…残念だったな。……それよりよく俺のクローと鮫肌を耐えれたな? ――ご丁寧に耐久に振りやがって…!!」

フライゴン「お前は昔からドラゴン技はドラゴンクローだけと決めていた。だったら当然それを耐えられる様にするし、俺もそれでお前を倒す!!!」


ガブリアス(俺のHPは半分も減ってねェ……おかしい。鉢巻にしては火力が低過ぎる。…………!! まさか…力の鉢巻か!?)

ガブリアス「舐めた真似を……クソが!!」

フライゴン「……?」

ガブリアス「拘り鉢巻と見せかけ攻撃し、フェイントで止めを刺す気だったんだろ? 俺の持ち物が襷ならしれで倒せたかもしれん」

フライゴン「……………」

ガブリアス「だが現実はハバン!! その目論見は見事に崩れ去った。死ね…ドラゴンクロー!!!」
168 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/26(金) 17:18:26 id:WAXqcVeE0










しかし ガブリアスの 攻撃は外れた!!


ガブリアス「………………は?」

フライゴン「……!? ……そうか…………霧だ!!! この階の深い霧!!!」

ガブリアス「霧だと!? …確か命中率0.6倍……!! これが天罰だというのか? ……神の力を用いた破壊と殺戮の代償か!?」


フライゴン「幸運……これも勝負の内!! これで終わりだ……ガブリアス!!!」

ガブリアス「バカな……ありえん!!! こんな事が…」

フライゴン「ドラゴンクロ…」
?????「悪の波動!!!」


ドッギュゥゥン!!!……

フライゴン「……!? ガハッ……」ドサッ…


霧の中から突然現れた黒い影が俺を打ち抜く……



ガブリアス「……!!! 何やってんだ…………サザン!!!!」


サザンドラ「ヒュー………危ないとこだったぜ。大丈夫か、ガブ?」

ガブリアス「………貴様…!!! なぜ勝負に割って入った!!!?」

サザンドラ「怖い顔すんなって。俺が奴を討ってなきゃお前やられてたかもしれないんだぜ!? あの虫野郎に」


フライゴン(こんな奴に……俺は…!!)
169 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/26(金) 17:37:26 id:WAXqcVeE0

フライゴン「お……おい…!!!」

サザンドラ「ん? まだ意識があったか」

フライゴン「あいつは……ジヘッドはどうした!?」

サザンドラ「ジヘ……あの雑魚野郎のことか!? さァ…そこら辺に死体が転がってんじゃねェかァ!!? 見ての通り俺は無傷だ!!!」

フライゴン「……貴様…!!!」


ガブリアス「………………………」

サザンドラ「何黙ってんだよガブ!! さっさとこいつを殺して他の奴らも潰しに行こ…」


ザクッッッ!!!


サザンドラ「……う…ぜ……!!? おい……ガブ…」

ガブリアス「俺たちの決闘を邪魔する奴は……誰であろうと許さん!!! それが例え相棒のお前であろうと………」

サザンドラ「…………ぐ…がっ…」ドサッ



フライゴン「………………!!!」

ガブリアス「サザンの糞野郎が…すまねェな。奥の棚に薬がある」タッタッ…


ガブリアス「……凄いキズ薬。体力が戻る……」

ガブリアス「ほら、早く食えフリャ」ポイッ

フライゴン「こいつは………復活草…? ……いや食えない。元々、霧がなかったら…」
ガブリアス「いいから黙って食え!! それとも、また俺と戦うのが恐いのか!!? もしかして、苦いの苦手なのか!?」

フライゴン「…なんだと?」

ガブリアス「……俺がお前と同じ立場なら食えねェだろう…だがお前には食うしかない筈だ」

フライゴン「………………」


ガブリアス「…食ったらそこの階段を上って来い。屋上にてお前を待つ。――そこで今度こそ決着をつける!!!!」
170 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/26(金) 17:55:32 id:WAXqcVeE0

フライゴン「うげっ!! げふっ……やっぱり苦い…が、力がみなぎる…」

フライゴン「………………(ガブリアス……今度こそ…!!)」


サザンドラ「ま……待て…!」

フライゴン「……なんだ? また邪魔する気か?」

サザンドラ「そうじゃねェ……ショックだったんだよ…ガブが俺よりも……敵のお前を選んだ事が…!!!」

フライゴン「それは違うな……男なら…特に奴なら決闘を邪魔されたらキレるもんだ」

サザンドラ「いや…それも違う………あいつはなァ……いつもお前の行動を気にかけていた…口で言ってる事と……まるで逆の様に…」


フライゴン「……………え?」

サザンドラ「お前の前では散々言っても……奴はこの決闘を望んでいた。これから始まる戦いの前に……ケジメをつけたかったんだ………――お前というライバルと」

フライゴン「俺とあいつが…ライバル?」



そんな事……考えたこともなかった。――もしかすると、戦いはもっと前に防げたのかもしれない


サザンドラ「そ…そこでだ。話は飛ぶが俺を…助けて欲しい。控え目の…CSぶっぱだから奴の一撃でこのザマだ。俺を助けてくれりゃァ…」
フライゴン「残念だが……今は敵を助けてやる程の余裕もない…」

サザンドラ「ク…クソォ……」


フライゴン「今はもう、目の前の事しか考えられない。………待ってろガブリアス。今、行く!!!」
171 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/26(金) 18:06:22 id:WAXqcVeE0

――龍の司殿地下1階


ガチゴラス「何をしてる? 早く殺せ!! 俺は敗者だ…」

ヌメルゴン「殺すなんて……できないよ…」

ガチゴラス「なんだと? ……俺に…ハァ……恥をかかせる気か………。俺は…真剣勝負で女に敗けたんだ…!!」

ヌメルゴン「………敗者が勝者に命令できるの?」

ガチゴラス「……!! うぐっ…それは…」


ガチゴラス「待てよ……殺しが嫌って…なんでそんな奴が……ガブリアス達の味方にいるんだ!?」

ヌメルゴン「……逆らえないんだ。………ガブリアスとは幼馴染だけど…いつの間にかああなって……怖いんだ…」

ガチゴラス「……なんだそりゃ? それじゃあ…こんな事ァお前の意思じゃない……って事か」

ヌメルゴンフライゴンとも幼馴染なんだけど……そっちを選べば良かった…今更遅…」
ガチゴラス「遅くなんかねェ!!!!」

ヌメルゴン「ひゃっ!!」ビクッ!


ガチゴラスポケモンはなァ……何度でも人生をやり直せるんだ!!! 志……それさえありゃ充分なんだ!!!」

ヌメルゴン「…………」

ガチゴラス「居心地が悪ィなら…俺たちに手を貸せ。今からでも、お前は……世界は………変えられる……!!」

ヌメルゴン「……ありがとう…ぅう…グスッ…」


ガチゴラス「ハハッ……ハ…ハ……。だ…だがちょっと待て……まだ体が動かん。もう少し寝させて…」
ヌメルゴン「ダメだよ……もう時間がないんだ」

ガチゴラス「え? ……時間?」

ヌメルゴン「ここから逃げよう!! ……一緒に…」
172 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/26(金) 18:27:33 id:WAXqcVeE0
――龍の司殿前

チルタリス「………誰も来ない…」

チルタリス(………あたしは本当にこんな所に居ていいの…? 何も……みんなの力に…!!)


ボーマンダ「おい」

チルタリス「!!! …え!? いつの間に…」
ボーマンダ「薬。一つ貰うぞ」パシッ

チルタリス「え!? ……え? ちょっと待ちなさ…」
ボーマンダ「うおおおおおおお!!! 満たんの薬でふっっっか~~~~~つ!!!」

チルタリス「そんな……勝手に…(あたしが薬を守って約束したのに……!)」


ボーマンダ「これが何を意味するかわかるか嬢ちゃん? お前はここで死んでどうぞ…って事だ。流星群!!」

チュドドドドォォオン!!!

ボーマンダ「俺は両刀なんだ」

チルタリス「きゃあ!! う……」
ボーマンダ「襷か…可愛げねェな。どちらにしろ俺の勝利は確実だが」

チルタリス(フライゴンくんが持たせてくれた…襷のお蔭で助かった。……だけど、どうすれば? ――今はこれしか…)
チルタリス「龍の波動!!!」

ドギュゥン!

ボーマンダ「あー…おー……凄ェ…………低ィ火力だな」

チルタリス「……!」
チルタリス(フライゴンくん…みんな……ゴメン。せっかく襷を持たせてくれたのに…)

ボーマンダ「これで終わりだァ!!!」


チルタリス「助けて!!! ……フライゴンくん!!!!」




……ピカァァン!!!

ボーマンダ「…!? なんだこの光は?」

チルタリス「え……? フライゴンくんがくれた…お守り石が…?」
176 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/27(土) 12:58:13 id:bSnGZm7Q0

******************************************************************

【助けて!!!】

フライゴン「!!? ………今のは…」

以前、流星の滝に行く時も同じような声を聞いた………今の声は、その時よりもはっきりと…


フライゴン「…………チルタリス……か…!?」

******************************************************************


ギュィィィィィン……ドン!!!


メガチルタリス「…え? これは一体……!?」

ボーマンダ「――お前もできたのか……メガシンカを」

メガチルタリスメガシンカ!!? じゃあ、あの石は…チルタリスナイト……だったのね。今は貰った時の色を取り戻してる」


ボーマンダ「――メガシンカをすると一部を除き種族値が合計で100上昇する。お前の元の種族値は490だろう? メガシンカしたところで俺たちには届かねェ!!!」

メガチルタリス「……いや、きっと勝てる!! フライゴンくんがくれたお守りが…あたしを守ってくれる!!」

ボーマンダ「その儚い夢から覚ましてやろう。これが現実、ドラゴンクロー!!!」


チルタリスには 効果が ないようだ…


ボーマンダ「何ィ!!?」

メガチルタリス(…という事は……メガシンカしてフェアリーがついた…!)


メガチルタリスメガシンカ後の情報までは調べてなかったみたいね! 終わりよ、ムーンフォース!!!」

ドォォォォォォン!!!!

ボーマンダ「止めろォォォ!! ぐァァァァァ ァ ァ ァ  ァ……」ドサッ


ギュィィィィィン………
チルタリス「ありがとう…………フライゴンくん…」
177 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/27(土) 12:59:42 id:bSnGZm7Q0

******************************************************************

フライゴンチルタリス……助けに行くべきか!?」


【ありがとう…………】

フライゴン「……え?」

【大丈夫よ……その先へ進んで!!】

フライゴン「………………」


そうか……チルタリス。お前はそんなに弱い奴じゃない。ガキの頃から泣き虫だった俺を助けてくれた…


これが以心伝心……という事か? まあ、そんな事はどうでもいい。今度は俺が助ける番だ…愛する世界と――お前を……

お前が居るからここまで来れた。そうだ、迷う事はない。俺の進むべき場所はただ一つ――――



フライゴン「全てが終わったら…必ずお前の元へ行く。ずっと傍で守ってやる。……それまで待ってろ。奴と決着をつけて来る!!!」

******************************************************************
178 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/27(土) 13:01:15 id:bSnGZm7Q0

――龍の司殿3階


ヌメルゴンサザンドラ!! しっかり!!」

サザンドラ「うぅ……ヌメルゴンか? ………なぜ、そいつらと一緒に居る…?」


ジヘッド「………!!」
ドラミドロ「……ハァ…ハァ………」
ガチゴラス「しっかりしろ! じいさん。みんな戦う力は残ってねェんだ…」


ヌメルゴン「――やっぱりガブリアスの考え方は間違ってるよ!! …みんなで逃げよう? ここに居ては誰も助からない……」

サザンドラ「……そう…か、わかった。奥に薬がある。全員分、取って来い」

ヌメルゴン「え!? ……うん(サザンドラの事だから…反対するかと思ってたのに、あっさりと。……何かあったのかな?)」



ジヘッドサザンドラ……!」

サザンドラ「あ?」

ジヘッド「なぜ…僕を殺さなかった…!!?」
サザンドラ「お前には殺す価値もねェ。それだけの事だ」

ジヘッド「………!!」

サザンドラ(馬鹿……俺にもお前みたいな時期があったんだ…殺せるかよ)


ガチゴラス「おいジヘッド! やるせねェだろうが約束は約束だ。そいつも助ける」

ジヘッド「……はい。張り切り過ぎて敗けた僕が悪いんです。もし、そいつが裏切っても…二度と敗けない!!!」


ガチゴラス「――ところでフライゴンは?」

サザンドラ「この上だ。ガブとの決闘だと……邪魔してくれるなよ?」

ジヘッド「どうします? やはり援護に…」
ガチゴラス「バカ野郎! 漢同士の決闘に…横入りする奴があるか!!!」

サザンドラ「……………………」


ジヘッド「そう…ですね。フライゴンさんはきっと敗けません! 僕らのリーダーですから! 後は……キングドラさんと合流しないと――」
179 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/27(土) 13:33:48 id:bSnGZm7Q0

――龍の司殿裏、貯水庫


カイリュー「……いつまで黙ってる? こちらから行くぞ!!!」

キングドラ(来るな………まずは安全牌を切る!!)


キングドラ「身代わり!!」ポン!
カイリュー「流星群!!」チュドドドォン!!!


キングドラ「特殊型…か」

カイリュー「5年間も同じ型だと思うな」

キングドラ「……だが、お前は特攻が2ランクも下がった。結果的に俺の圧倒的優勢だ」

カイリュー「どうだかな? 我に敗北の二文字はない」


キングドラ(逆鱗だったら完全な運ゲーになってた。……それはそれで良かったが、どう動くか…)

カイリュー(欠伸+守るを持ってるとキツイが……技スペース的に無いな。だが身代わりがあるという事は…あの技も視野に入れ…)

キングドラ(特攻が下がってるとはいえ…流星群を直接受ければ勝ち目は薄い。あの技は読まれるか……いや、それでいいんだ! 読まれたとしても………これは賭けだ!!!)



キングドラ「金縛り!!!」キッ!
カイリュー「暴風!!!」ギュォォオ!!!


キングドラ「ぐおお!!! ……やはり読まれたか…」

カイリュー「うぬが雨を利用させてもらった。それに恐らく、うぬは素でも我より速い。完全な無駄雨だな」

キングドラ「その様だな……それよりあの暴風の火力は…」
カイリュー「飛行のジュエル」

キングドラ「ジュエルだと!? 一体どこから獲って来た?」

カイリュー「さァな。そんな事より己の身を案じてろ。――勝負は既に決している」
180 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/27(土) 14:02:21 id:bSnGZm7Q0

キングドラ「……いいや、まだ策は尽きてねェ!! 俺は敗けん!!!」


カイリュー(奴のあの自信…策……我が敗ける可能性があるとすれば急所。………耐久には多量の努力値を注いだ故、それだけでは倒せん。火力補強アイテム+急所なら可能性があるが……急所を狙うならピントレンズ。だが、…)

キングドラ(見事に考え込んでるやがるな……奴の思考がどこへ行き着くか…。俺に取れる行動は一つ。後は、奴の次の一手で勝敗が決する…!!)

カイリュー(だが、奴の特性が〝すいすい〟でないとすれば……? 雨を降らせそれらしく見せかけているとすれば………〝スナイパー〟だとすれば急所に当たった時、確実に我を倒せる)
カイリュー(暴風を撃てば確実。しかし、我が先に倒される可能性がある。……倒せるとは限らんが…その可能性を少しでも潰せるなら、やはりこの技か…!!)




カイリュー「神速!!!」ヒュッ

…………タン……


カイリュー「どうだ!?」

キングドラ「……まだだ。その程度じゃ倒れねェ!」

カイリュー「…ダメか。後は運次だ…ウグッ!? こ、これは………」


キングドラ「まだわからねェか……? ――ゴツゴツメット

カイリュー「…!! ……?!!」

キングドラ「予想外だったか!? これでお前のマルスケは潰れた。これが意味する事は……わかるな?」

カイリュー「……クッ! 素直に暴風を撃っていれば…」
キングドラ「後の祭りだろう? 5年前のケジメはつけさせてもらう!!! 流星群!!!!」

チュドドドォォォォォン!!!!


カイリュー「何て……事…だ……」ドサッ

キングドラ「俺は〝すいすい〟だ。お前にだけは当たりたくないと思ってたが……ゴツメなんて持ったって事ァ結局お前を倒す事ばかり考えてたのかもな」


キングドラ「――後はお前だけだ。俺の分まで……母の敵を討ってくれ………フライゴン!!!――」
181 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/27(土) 14:13:12 id:bSnGZm7Q0

――大いなる崖9合目


リザードン「」
ジュカイン「」
デンリュウ「」


ラティアス「はぁ……やっと終わったね」
ラティオス「中々に骨の折れる戦いだったな…」


オノノクス「う、う~~~ん…」
クリムガン「ハッ!! 俺は一体…」


ラティオス「……やっと目覚めたか」

クリムガン「……!! そうだ! 俺はお前に敗けて…」
ラティオス「もう貴様らと敵対する気はない。貴様らがのびている間に去ろうと思ってたが…邪魔が入って叶わなかった」

オノノクス「なんだと!!? 勝ち逃げか!!! テメェら一体なんなんだ!!?」

ラティアス「そんな事より仲間たちの所へ行かなくていいの? もうすぐ夜明け……」


ラティオスガブリアスフライゴン…二匹の戦いが〝龍の司殿〟の頂にて始まる。……その戦いに世界の命運の全てが賭かっている」

クリムガン「あ? どういう意味だ!?」



ラティオス「その戦いの勝敗まではわからんが…その戦いで…………少なくとも、どちらかは消えるだろう――」
182 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/27(土) 14:26:50 id:bSnGZm7Q0

――龍の司殿屋上


フライゴン「……………おいガブリアス…」


ガブリアス「………………………………………………」


フライゴン「…お前らしいな。罠も仕掛けないどころか、俺に背を向ける様に待っているとは…」

ガブリアス「見ろよ……フライゴン。夜空満面に輝く星々を…」

フライゴン「……!! フライゴン……初めてその名で呼んでくれたな………それに天体鑑賞なんてお前のガラじゃない…」

ガブリアス「あァ? 何か悪ィか!? ――輝く星々……歴戦の英雄達の星……」

フライゴン「…………?」

ガブリアスポケモンは死んだら星になるというが……お前は信じるか?」

フライゴン「………そんな事はわからない…」


ガブリアス「――俺は今日だけ信じるとしよう……お前もあの星屑の一つとなれ!!!」

フライゴン「…ガキの頃、お前は超常現象はデタラメとかポケモンの仕業とか迷信とか言ってたじゃないか?」

ガブリアス「だから今日だけだ。日が昇り……全てが消える。全てが終わり、全てが始まる。その前に、俺とお前の戦いに終止符を打つ……」
183 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/27(土) 14:47:35 id:bSnGZm7Q0

フライゴンガブリアス……俺は本当はお前と和解しようと思ってたんだ」

ガブリアス「……何?」

フライゴン「…だが、さっきお前と戦う前に聞いた話で……その気は失せていた。やはり、お前が許せなかった…!!」

ガブリアス「……………」


フライゴン「――今は違う。この場所に来て…心が落ち着いた。霧も煙もない澄み渡った空気。上には満面の星空、下を見ればカントーの全てが見渡せ、………目の間にはお前が居る」

ガブリアス「……つまり何が言いたい?」

フライゴン「もう、こんな事は止めにしないか? 世界を支配してどうする気だ? 世のポケモン達の幸せは一夜にして壊された!! ……お前の幸せは何だ?」

ガブリアス「………俺の…幸せ……?」


ガブリアス「……………そんな物はいらん!!」

フライゴン「え…?」

ガブリアス「この世に生を受け、遊び、学び、他の奴らと馴れ合い、成長して、大事なポケモンと出逢い、一緒になって、家庭を築き――それが世にいう幸せならば……俺は幸せなどいらん!!! 俺は不幸でいい!!!」

フライゴン「お前……」


ガブリアス「――フライゴン。お前とはガキの頃から戦って来た。……認めたくはねェが戦友だ」

フライゴン「………ああ。それなのに俺たちは…わかり合えないのか?」

ガブリアス「いいか? この世は〝力〟が全てだ。俺を従わせられるとすれば……圧倒的な〝力〟のみ」

フライゴン「つまり…」
ガブリアス「俺を倒せ」



フライゴン「……わかり易いな。………全力で行くぞ!!! 俺は敗けん!!!!」


夜明け前の暗闇に浮かぶ神殿の上にて………二匹の最後の戦いが始まる――
184 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/27(土) 14:54:21 id:bSnGZm7Q0

ガブリアス「ドラゴンクロー!!!!」
フライゴン「ドラゴンクロー!!!!」


ズギャァァァァァァァン!!!!……………


フライゴン「ぐぉお………」

ガブリアス「ウゥ…効く……が、ハバンなしでも…この程度か。残念だがフェイント圏内に入らなかったな」

フライゴン「あぁ……急所に当てても無理だろ?」

ガブリアス「その通りだ!! 即ち、俺の勝利が確定した。最後までお前は……俺には勝てねェんだよ!!!! ドラゴンクロー!!!!!」


ザクッッ……





フライゴン「ウアァッ!!!!」



ガブリアス「さらばだ……………………友よ…」
185 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/27(土) 15:09:26 id:bSnGZm7Q0











フライゴン「自分から不幸だと言う者に、望む結果など訪れない」

ガブリアス「…!!! なぜだ…なぜまだ倒れん?!!! 俺のクローを二発耐えられる筈が…」
フライゴン「そうだ。俺の力だけじゃ無理だ。……だが、道具があればどうだ?」

ガブリアス「道具だと? お前が付けてるのは力の鉢巻だろう!!?」

フライゴン「そんな事………一言も言ってないが…」


ガブリアスの脳内に……一つの鉢巻の名が浮かんで来た



ガブリアス「まさか…………気合の鉢巻……だと…」

フライゴン「そうだ。10%……信頼してくれる仲間たちがいる俺には…敗ける訳にはいかない俺には……高過ぎる確率……」

ガブリアス「また……運。俺は結局…不幸なんじゃねェか!!!」

フライゴンガブリアス。……不幸と不運は違う。俺はお前を倒す。その先は…自分で決めろ!!」



フライゴン「ドラゴンクロー!!!!!」


ザクッッ……



夜闇の中に……二匹の龍は共に倒れた
186 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/27(土) 15:26:22 id:bSnGZm7Q0

ガブリアス「………フライゴン、最後に…一つ……聞いていいか」

フライゴン「………なんだ」


ガブリアス「なぜ……なぜクローを撃った…!? 〝鮫肌〟を知らねェ訳じゃあるめェし、地震ぐらい使えるだろ……!!! 拘ってる訳でも」

フライゴン「拘ってないけど拘ってるんだ!! ……言っただろう。俺はドラゴンクローでお前を倒す…と。そうでなければ意味はないんだ……!!」

ガブリアス「お前も……強情な奴だ」

フライゴン「お前に言われたくはないな……」



ガブリアス「――ここに場所を移して戦った理由…霧を避ける意味もあるが……お前を倒した後…飛んで逃げる手筈だった」

フライゴン「……逃げる? 何から…?」

ガブリアス「先に行った様に…この司殿の力は夜明けまでだ。……夜明けと共に、千年の眠りにつく。再び呼び起されるその時まで………闇の中で…な」

フライゴン「……どういう事だ!? …一体…」
ガブリアス「見ろ。空が明るくなって来ている。……間もなく、この〝龍の司殿〟は…今、この場所に居る全ての者ごと闇に消える」

フライゴン「そんな事が……あるのか?」

ガブリアス「俺はその時と共に世界へ宣戦布告し、征服に乗り出すつもりだった。……おい、体は動くか?」

フライゴン「残念ながら……動かない…」

ガブリアス「そうか……俺もだ」



水平線の彼方から朝日が昇りだす――


ガブリアス「俺たちは…こうなる運命だったのかもしれんな」
187 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/27(土) 15:40:44 id:bSnGZm7Q0

――龍の司殿前


チルタリス「――ねぇ…本当なの…? 夜明けと共にこの建物は消えるって…」

ヌメルゴン「本当…だよ。中と上にいるポケモンを飲み込んでね……だから逃げて来たんだ」

チルタリス「だって…まだフライゴンくんが…!!! 今からでも助けに行くわ!!!」
ガチゴラス「待て待て待て待て待て!!! もう夜明けだ間に合わねェ!!! 姉貴まで消えたら…俺たちゃどうすれば!!!」

キングドラ「落ち着け……フライゴンを信じろ」

キングドラ(フライゴン…早く来い! これ以上……チルタリスを悲しませる気か…!!)



無情にも朝日は昇る。世界がどうなっても…朝は同じ様にやって来る

龍の司殿から黒い煙の様な者が立ち始める……



ドラミドロ「――夜明け……じゃ」


【チルタ…リス…聞こえるか……】

チルタリス「……え…?」

キングドラ「どうした?」


【戻れなくてゴメンな………一緒にいてやれなくて…ゴメンな…】

チルタリス「え!? え!? なんなのこの声は…え?」

ジヘッド「声? 一体どうしたんですか!? 落ち着いて下さい!!」


【じゃあな……好きだった…ぜ】

チルタリス「嫌だ…!! フライゴンくん! フライゴンく~~~~~~~~~ん!!!!!」



日が昇り、龍の司殿が跡形もなく消滅した
188 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/27(土) 16:02:30 id:bSnGZm7Q0

悲劇の夜が終わった。多くのポケモンが命を落とした長い夜は、龍の司殿と二匹の龍の消滅と共に幕を閉じた


――戦いを掻き立てる者は消えた。皆が疲れ切り、戦う気力も失い倒れ込む。チルタリス達もまた、悲しみに明け暮れていた

一方で、その状況に乗じてポケモン達を殺す者も居る。世界から戦いは消えなかった


現状に一石を投じるべく、あのポケモンが姿を現す――



ジガルデ「〝オーラブレイク〟!!!」


ジヘッド「あなたは!!!」
サザンドラ「え? 誰だ?」
ドラミドロ「カロスの伝説のポケモン……ジガルデ!!! なぜここに?」


ジガルデ「私の務めは世界の秩序を守る事。だが、昨夜一瞬にしてそれが壊された。無念、無力」

カイリュー「………………」

ジガルデ「今、世界中のポケモンから戦意を消した。私に出来る事はそれまで。これからの未来を切り開けるのはキミ達だ」

ヌメルゴン「僕たちが…」
ガチゴラス「世界を?」


ジガルデ「そうだ! これからの世界を担う者たちよ。世界が平和になるか…悲劇が繰り返されるかはキミ達に賭かっている。……行け。今こそ立ち上がるのだ!!」

ボーマンダ「そうだな。こんな所に居ても仕方ねェ。動くか」
チルタリス「……………………」


キングドラ「……チルタリス。いつまでもクヨクヨしてても仕様がないぞ」

チルタリス「だけど…だけど!! フライゴンくんの居ない世界なんて…」


ジガルデフライゴンガブリアス。彼らは死んでいない」

チルタリス「………え?」

ジガルデ「眠りについたのだ。忌々しき司殿と共に」
189 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/27(土) 16:19:19 id:bSnGZm7Q0

ラティオス「その通りだ」


サザンドラ「今度はなんだァ!!?」


ラティアス「彼らは闇の中に居る。永遠に年をとらない闇の中で眠り続けるのよ」

オノノクス「今戻ったぞ~~~!!!」
クリムガン「なんだァ? お前ら神妙な顔して…一体、何があった?」


キングドラオノノクスクリムガン!! ……オンバーンは?」

オノノクス「う……わからねェが…恐らく…」

キングドラ「……そうか」


オンバーン「待て~~~!! 俺を勝手に殺すな~~~!!!」

キングドラ「お前…よく生きてたな!!!」
オンバーン「酷いッスよ~。死んだフリして崖から落ちて奇跡的に生きてたんッス。……あれ? フライゴン先輩は?」

キングドラ「――もう居ない。…………何はともあれ…これでフライゴン以外、全員揃った」

オンバーン「え? 居ない? ……そんな、まさか…!!」


ジガルデ「だから、ここには居ないが闇の中で生きていると言ってるだろう!!」

チルタリス「どうすれば……どうすればフライゴンくんに…」
ジガルデ「少なくとも千年は絶対に目覚めさせる事は出来ぬ。……二匹が甦ると言う事は…即ち、悪しき司殿が甦るという事。二度とあってはならぬ事」

チルタリス「そんな…………!!」


キングドラ「……チルタリス
ジヘッドチルタリスさん!!」
オノノクスチルタリスゥ!!!」
クリムガン「おい小娘……」
ガチゴラス「姉貴ィ!!」
ドラミドロチルタリスや…」
オンバーンチルタリス先輩!!!」


チルタリス「……わかったわ。ゴメンねみんな。…フライゴンくんが守ってくれたこの世界。――今度は私たちが守って見せる!!! みんな、旅は長いわよ?」

一同「おう!!!!」
190 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/27(土) 16:30:57 id:bSnGZm7Q0

カイリュー「我々も行くか」
サザンドラ「おう!!」
ヌメルゴン「うん!」
ボーマンダ「やれやれ…一役買ってやるか」
ラティオス「俺たちも助力しよう」
ラティアス「……!! うん♪!!」

ジガルデ「さて…世界はどう動くか…」



龍たちの旅は始まった。世界を平和へと導くべく。フライゴンと……最期のガブリアスの意志を継いで――――
191 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/27(土) 16:37:02 id:bSnGZm7Q0

******************************************************************


ジヘッド「ハァ……今日は疲れた…」
オンバーン「まだ初日だぜ?」
キングドラ「…しかし、すっかり真っ暗だな」
チルタリス「星が綺麗ね……」


キラキラーン♪

8匹の頭上に二筋の星が流れゆく


オノノクス「流れ星だァ!!! 願いを言えェ!!!」
クリムガン「へっ、くだらん…」

チルタリス「流れ星……」

チルタリス(きっと……フライゴンくんと…ガブリアスの………)


ガチゴラス「俺はバッチリ世界平和祈っといたぜ! 姉貴は何を?」

チルタリス「フフ、内緒。貴方こそホントは違うんじゃない?」

ガチゴラス「えェッ!! そ、それは…(なぜバレたし!?)」
ドラミドロ「ほっほっほ! いいのう若者は」


キングドラチルタリス、俺の願い事は恐らくお前と同じだ」

チルタリス「………そう」



チルタリス(フライゴンくんが………帰って来ます様に……)









チルタリス「大好きよ……フライゴンくん…」

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192 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/27(土) 16:56:38 id:bSnGZm7Q0

――――――――千数百年後――


千年前、完全なる平和を手に入れた世界が再び脅かされる。英雄たちが創った平和が壊されようとしている――

?????「ウヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!! 神の力を持つ〝龍の司殿〟は今、甦ったァ!!! こんな生温い世界なんざブチ壊してやる!!! 世界は俺のモンだ~~~!!!!」


――龍の司殿屋上


フライゴン「あれ? …あれ? ガブリアス? ……一体、何が? 俺たち闇に消えたんじゃ…」
ガブリアス「落ち着け。いいか、外を見ろ。……全然、景色が違うだろ? どうやら俺たちは千年以上眠ってたらしい」

フライゴン「千年……あいつは…もう……!! …………え!? ……待てよ、それで眠りから覚めたって事は…」

ガブリアス「そうだ。歴史は……繰り返されようとしている――」

フライゴン「そんな……またあの悲劇が…」


ガブリアス「聞けフライゴン。俺はお前に敗けた時、初めてポケモンの痛みがわかった。自分の犯した罪の重さがわかった。お前の気持ちが…想いが伝わった」

フライゴン「……ガブリアス

ガブリアス「今までの俺が馬鹿馬鹿しくなった。……こんな事じゃ許されねェだろうが…今度は俺が、いや俺たちが世界を救う!!!」



ガブリアス「〝龍の司殿〟の力を発動できるのは3階!! まだ間に合う筈だ!!! …………行くぞ、フライゴン!!!」

フライゴン「ああ行こう……………………友よ!!」



俺が愛したポケモンは居ない。世界は全く変わってしまった。……だが、俺の知るポケモンが世界に一匹だけいる。何度も衝突し合ったあいつが…


――この世にわかり合えないポケモンなんて……いない…!!!









~完~
193 >>75 ◆U/zraVIh8E 2014/09/27(土) 17:02:36 id:bSnGZm7Q0
終わったぁ……。いや~自由に書き過ぎました。もう反省しております。


さて、次の方は>>198。そして、
ギルガルド「じゃんけん大会やろうぜ?」
を書いて下さい

馴れ合いスレでギルガルド(とカラマネロ)の話題が出てたので、そちらもチェックされると宜しいかと
長々と失礼しました
194 名無しのデデンネ 2014/09/27(土) 19:19:57 id:llWsr4Xk0
良かったよ、それぞれのポケモンの感情の表現が上手ですた
195 名無しのデデンネ 2014/09/27(土) 22:16:14 ID:/c1sO4Ks0
いい話だった~

特にラストシーンには感動しました
196 名無しのデデンネ[sage] 2014/09/27(土) 22:51:41 ID:.5JbE7RU0
面白かったよ
強いて言うなら短編にまとめる技術というのも必要かなって程度か