ピカチュウ「マックのカレンダーが今年から妖怪に?」
- 1 名無しのデデンネ 2015/01/02(金) 18:14:13 id:uYiP347Q0
- ぽけりんBBSより転載しました
子供「お母さーん!そろそろマックで買ったポテトが食べたいよぉ!」
母親「ダメよー?お家帰ったらご飯でしょー?」
子供「えー…?どーしてもぉー?」
母親「そうよー?いつもこの時間におやつ食べたらご飯残すでしょー?」
子供「ダメよぉ~ダメダメ?」
母親「ウフフそうよ、今日の夜ご飯はカレーよ?食べれなくても良いの?」
子供「やだー!じゃあ我慢するー!」
母親「偉いえらい!」
ピカチュウ「………子供と…母親か…?」
…マック…か…
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職員1「ピカチュウさん…いえ、ポケットモンスターさんを代表して貴方に言っておきたいことがあります…」
ピカチュウ「…何ですか?」
あの時の俺は調子に乗ってたんだと思う…
毎年のようにマクドナルドのカレンダーに載り、慢心していたのだと思う…
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- 2 ENJOY ◆Wa9jO0ZpHQ 2015/01/02(金) 18:21:36 id:uYiP347Q0
職員2「今年をもって我が株式会社マクドナルドのカレンダー…株式会社ポケモンとのコラボは打ち切りとさせていただきます」
ピカチュウ「___え?」
職員1「もう一度申し上げさせていただき___」
ピカチュウ「い、いえ、大丈夫です……」
職員2「誠に僭越ながら、来年のカレンダーは妖怪ウォッチさんとコラボさせていただくことになっております…」
ピカチュウ「…そ、そうです…か…」
職員2「以上です…今までありがとうございました…」
職員1「今後のご活躍を期待しております…」
ピカチュウ「は、はい、今までありがとうございました…」
- 3 ENJOY ◆Wa9jO0ZpHQ 2015/01/02(金) 18:22:51 id:uYiP347Q0
- ピカチュウ「それでは…失礼しました…」
ガチャ…パタン…
ピカチュウ「……… ………」
とうとうリストラされてしまった…
ピカチュウ「………はっ…!………馬鹿みてぇ…」
こうなることはわかっていた…
マスコミから妖怪ウォッチが持ち上げられ、
今や子供の目は妖怪ウォッチに向いてきている…なんて…わかってた…!わかってたはずなのに…!
俺………情けねぇ………
- 4 ENJOY ◆Wa9jO0ZpHQ 2015/01/02(金) 18:24:00 id:uYiP347Q0
- 俺は個体値も本当にそこそこしかない…
それこそバトルでは使われない…
かと言ってアニメに出ているピカチュウさんのようにはなれなかった………
なぜなら、以前採用試験を受けて見たが余裕で落ちたからだ…
そんな時に俺に舞い降りたチャンス………それがあの、「マクドナルドのカレンダーのモデルをすること」…"だった"
毎年必ずのようにコラボでカレンダーのモデルをし、慢心していた…
給料も良かったし…何より子供達から喜ばれている…
のも過去の話だ………
情けない…本当に情けない…
今まで慢心して…その結果がこれだ………
俺はこれからどうやって生きて行けばいいんだろう…
妻にも…娘のピチューにも…顔を合わせられない…
ピカチュウ「………いっそ…死のうか………?」
- 5 ENJOY ◆Wa9jO0ZpHQ 2015/01/02(金) 18:25:49 id:uYiP347Q0
- 不意に言ってみた言葉が重く背中にのしかかる
待てよ…俺が死んだらあいつらはどうなるんだ…?
妻に娘に…あいつらを置いて俺一人…勝手に死ぬわけにはいかないだろう…!馬鹿か俺は…っ!!
とはいえ…どうすればいいんだ…?これから…
今一人で考えても仕方ない…
取り敢えず…家に帰ろう…
そして…妻と相談しよう…
それしか無い…
- 6 ENJOY ◆Wa9jO0ZpHQ 2015/01/02(金) 18:26:45 id:uYiP347Q0
- 家に帰ると妻がいない…娘がいない…
きっと買い物に仲良く行ってるんだろう…そう…
___しかし…現実は違った___
テーブルには置き手紙…
文面には数滴の水をこぼした後がある…
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お父さんへ
貴方がマックのカレンダーのモデルを辞めねばならなくなったと聞きました…
貴方のそばにいて励ましたい、大丈夫だよ、また頑張ろう?と、声をかけたい…ですが、
今の育ち盛りのピチューに辛い思いはさせたくありません…
本当にごめんなさい…
こんな勝手な私を許してください…
また貴方が職を手にいれ、皆で楽しく笑って暮らせる日々を…望んでいます…
ごめんなさい
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え?
何でだ…何でだよ…
冗談だろ?
俺はさらに妻も、娘も失わなきゃならないのか…!?
- 8 名無しのデデンネ 2015/01/02(金) 18:32:06 ID:Fj.z0zoM0
- これジョイくんのやつだったんか
- 9 ENJOY ◆Wa9jO0ZpHQ 2015/01/02(金) 19:40:59 id:uYiP347Q0
机の上には思い出の写真が一枚…それと去年までの俺の写ったカレンダー…そして…
娘からの手紙…
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おとさん、なんて?
なんておかさんはピチとおとさんちはなそーとするの?
なんて?
いしょにいたいよおとさん…
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そこには片言の字で娘からのメッセージが添えられてた…
不意に目から雫がこぼれ落ちる…
こんな…こんな小さい自分の娘にも迷惑をかけて…!情けない…俺は本当に情けない男だ…っ!!
- 10 ENJOY ◆Wa9jO0ZpHQ 2015/01/02(金) 19:43:07 id:uYiP347Q0
- 涙は枯れるほど流し、少し落ち着いて一呼吸…
ふぅ…
そして蛇口をひねり、冷たい水を飲む…
ピカチュウ「………妖怪ウォッチが悪いんじゃねぇ…」
ピカチュウ「いつまで経っても同じ所で足踏みし続けた俺が悪ぃんだ…」
そうだ…何もかも…俺が悪いんだ………
そうしてしばらく…深い眠りについた………
- 11 ENJOY ◆Wa9jO0ZpHQ 2015/01/02(金) 19:44:28 id:uYiP347Q0
- そして今である…
今じゃあマックの店頭には見本やポスターで妖怪ウォッチの絵が飾られている…
ほんとならあそこに貼られていたのは俺のはずなのに…
とか言う嫉妬に近い心はなかった、むしろ、良かったとさえ思えてくる
確かに今は就活の最中、職も無い、家ももうすぐ追い出される…
しかしだ、何か、何かはわからないが自分の中の欠け落ちた物を拾う事ができたと思う…
それはおそらく…自尊心とかいったものを捨て、向上心を手にいれたんだと思う…
その反面、未だピカチュウを…いや、ポケモンを楽しんでいる子供達にはとても申し訳なく思えてくる時もある…
以前一度インターネットカフェに行った時に見た記事には多くの大人が俺の降板を知り嘆いているレスを見たりもした…
得る物があれば失う物も大きいわけだ…
- 12 ENJOY ◆Wa9jO0ZpHQ 2015/01/02(金) 19:45:36 id:uYiP347Q0
- そうやって公園のブランコで行く当てもなく、ただ、ただぶらりぶらりとブランコを漕いでいると携帯にメールが届いた
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To ピカチュウ様
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段々と木の葉は落ちて来て、冬の季節がやってきてまいりました
いかがお過ごしでしょうか…
早速本題になりますが、
実はもう一度お伝えさせていただきたいことがあります
ご予定の空いてる日に、マクドナルド○○店へお越し下さい
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………まぁ明日にでもマックへ行こう…
- 13 ENJOY ◆Wa9jO0ZpHQ 2015/01/02(金) 19:47:04 id:uYiP347Q0
- 街を歩いているとふと高校生の男女だろうか…笑い声が聞こえた
女「ねぇ~天気良いしマックで何か買って学校の中庭で食べないー?」
男「そうだなー…まぁ寒いけど良いんじゃないか?じゃあ買おうか」
女「お!やったね!ポテト買お!ポテト!」
男「お前はほんとにポテト好きだよなぁハハ」
女「揚げたてジュわっ!のポテトにパラパラと塩!ケチャップがあれば二度楽しめる!素晴らしいじゃない!」
男「お、語り出した」
女「ひどーい!でも実際美味しいでしょー?」
男「ハハハ、まぁね」
ピカチュウ「……… ………」
目の前で腕を組みながら歩くカップルを目に、俺の脳裏には昔、妻とデートした時のことが鮮明に思い出される…
- 14 ENJOY ◆Wa9jO0ZpHQ 2015/01/02(金) 19:48:32 id:uYiP347Q0
- カップルの会話を聞き流しながら俺は指定されたマックへ入って行く…
男「あー…そういやポテトのサイズ小さいんだっけか、もう少しの間」
女「ありゃ、残念だなぁ…L奢ってもらおうとしたのに」
男「お前調子良いな!」
女「だって美味しいんじゃ…ないの?」
男「う……じゃ!じゃあ!S2つ!これで良いな?」
女「うん!」
男「…あれ、今年のカレンダー妖怪なんだ…」
女「どうかしたの?」
男「…や、昔までポケモンだったからさ?今は俺もやってないけどさ…毎年目にするたびに懐かしいなって思ってたのに…寂しいと思ってね」
女「あー…私も!子供の頃お母さんに買ってもらってたなぁ…ピカチュウ載ってるの!」
男「そっか…いやまぁ今の子供達は妖怪ウォッチ何だろうけどさ…時々寂しくなるよ…俺も子供の時の思い出を否定されるみたいでさ…」
- 15 ENJOY ◆Wa9jO0ZpHQ 2015/01/02(金) 19:51:52 id:uYiP347Q0
- 女「あー…わかるかな、それ…」
男「おぉ、そうか?」
女「あ!ポテト来たよ!」
店員「お待たせいたしました、マックフライポテトのS2つでよろしいでしょうか?」
男「あぁ、はい」
ただ俺は聞き耳を立てて聞いていただけだが不意に涙が流れて来た…
俺のことだけじゃあないが…ポケモンを見てくれてる…応援してくれてる人達はまだいる!
たとえ俺だけでも…やれることは……
ある!
- 16 ENJOY ◆Wa9jO0ZpHQ 2015/01/02(金) 19:53:42 id:uYiP347Q0
- そして俺は店員さんに話をつけ、2回にある会議室へと案内された
コンコン…
ドアをノックすると乾いた木の音が誰もいない廊下に鳴り響く…
職員1「どうぞ」
ピカチュウ「失礼します」
職員2「どうぞ、おかけになってください」
すぐそばにあった椅子を勧められた…けど俺にはもうこんなものは必要ない…
やることは決まってるからな
ピカチュウ「いえ、このままで結構です」
まず姿勢を整えるそして……言うことはただ一つだけだ…
だけど…!だけど体が動かない…!
思い返すとあのリストラを言い渡されてからしばらく、様々な人間を見て来たんだ…
掲示板で騒ぐ大人たち…
ポケモンのカレンダーは?と泣きじゃくる子供…
さっきのカップル…
様々なものを見て来た…!
だからこそ!俺ができることはただ一つ!
土下座だ
- 17 ENJOY ◆Wa9jO0ZpHQ 2015/01/02(金) 19:55:55 id:uYiP347Q0
- まず膝立ちの体制に!
そして尻とかかとを着け、膝は肩幅に開く!
手は両手で三角形を作るようにして手のひらを広げ!地につける!
そして姿勢を整え、腕を折りたたんで行く…!
頭を床にこすりつけ!
相手に精一杯の誠意を見せる!
ピカチュウ「お願いします!来年の!来年!2016年のカレンダーは私たちポケットモンスターとコラボさせてください!」
後悔はない___
自分でもみっともないとは思った…世間の波について行けずしまいにゃ泣き寝入り…
終わったな…俺_____
職員1「や!やめてください!お顔をあげてください!」
職員2「そうですよ!子供達のヒーローが!土下座だなんて…っ!やめてくださいよ…っ!!」
職員は俺に顔を上げろといってくる…そりゃそうだ…今の俺の姿、見るに耐えないもんな…
涙までこぼしてくれやがって…
涙?
- 18 ENJOY ◆Wa9jO0ZpHQ 2015/01/02(金) 19:58:50 id:uYiP347Q0
- 職員1「我々も考えてたのですよずっと…!今は妖怪がブームだと…しかし…世間の波に飲まれていただけですね…」
なんだ?こいつら…涙を流しているのか____?
職員2「しかし…実際は違った!ポ ポケモンのファンが集まるサイトを拝見させていただきちらと見させていただいたのですよ…ポケモンの根強い人気を…!」
職員1「そのあと調べさせていただくとポケモンさんの方が妖怪ウォッチよりもとても!歴史も!人気も!あるではないですか!…それを…!私たちは…!」
____こいつら……?
職員1「貴方が土下座しなくても…!今日の話はそのことについて…お話しようとしていたんですよ!」
……ハハ………なんてことだ……
- 19 ENJOY ◆Wa9jO0ZpHQ 2015/01/02(金) 20:02:20 id:uYiP347Q0
まだ…希望はあるじゃないか…
- 20 ENJOY ◆Wa9jO0ZpHQ 2015/01/02(金) 20:04:47 id:uYiP347Q0
- それからしばらくしてまた日を改めて俺は職員の方と話した
2016年からのカレンダーもポケモンとコラボしてくれる…
喜んで俺は妻に連絡をいれた…けど、連絡は取れなかった…
そして…あれから10年が立ち…
今月の分のカレンダーの写真を撮り終え、俺はマックの前で待っていた…
女性を待っているんだよ…
すげえ若くて俺には持ったいないくらいの可愛い"娘"をね…
???「お父さん!?お父さーん!!」
ほら、向こうからこちらへ走ってくるのが娘だ…
可愛いだろ?
- 21 ENJOY ◆Wa9jO0ZpHQ 2015/01/02(金) 20:06:41 id:uYiP347Q0
- 仕事を手にいれ、今から1年前に連絡が取れるようになった…
それからは月に一回は娘とあっている
ピカチュウ「またでかくなったな…」
ピチュー「へへぇー!まぁね!」
ピカチュウ「もうすぐ15歳だろ?」
ピチュー「そ!それにもうすぐなんか進化できそう…なの!」
ピカチュウ「凄いじゃないか!頑張れよ!」
ピチュー「うん!さ!ポテト!食べにいこ!」
ピカチュウ「ハハ!相変わらずポテト好きだな…」
ピチュー「だって美味しいでしょ?ほらほら!行こ?」
ピカチュウ「あぁ…」
俺の手を握ってきた娘の手はまるで揚げたてのポテトのように温かかった…
~END~
- 24 名無しのデデンネ 2015/01/09(金) 18:09:28 id:R0nsTCnc0
- ポテト旨いよな!
-
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